日本は国家的指針を数字で示せても、具体的にどの分野に重点を置くか明確に示せても、どの分野を衰退させるかを示せなくなっている。限られた人的資源で企画・研究・開発・製造の分野が広がれば、どの分野も世界で通用しなくなる。当然の現象が起きている。 国家的方向性が打ち出せなければ、企業同士の競争が自由に行われなければならないが、例えば、NTTなどがグループで原材料の調達をしてコスト削減しようとしても、KDDIなど他社の反対があれば、自由な原材料調達ができないことになる。民間企業は自由な競争社会にあるのでなく「横並び」体質が厳然と残っているのです。 国は、限られた人的資源を有効に活用して世界に通用する企業を育てようとすれば、国家目標を定め、企業の自由競争を促進しなければ、停滞した経済風土を活性化するのが難しいでしょう。みんな仲良く成長する幻想的経済はあり得ないわけであり、勝ち負けがはっきりする競争社会に近づけることである。勝ち負けをはっきりさせない社会を望むのであれば、現在の衰退を認めるべきでしょう。
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孫崎享チャンネル
(ID:18367902)
日本は国家的指針を数字で示せても、具体的にどの分野に重点を置くか明確に示せても、どの分野を衰退させるかを示せなくなっている。限られた人的資源で企画・研究・開発・製造の分野が広がれば、どの分野も世界で通用しなくなる。当然の現象が起きている。
国家的方向性が打ち出せなければ、企業同士の競争が自由に行われなければならないが、例えば、NTTなどがグループで原材料の調達をしてコスト削減しようとしても、KDDIなど他社の反対があれば、自由な原材料調達ができないことになる。民間企業は自由な競争社会にあるのでなく「横並び」体質が厳然と残っているのです。
国は、限られた人的資源を有効に活用して世界に通用する企業を育てようとすれば、国家目標を定め、企業の自由競争を促進しなければ、停滞した経済風土を活性化するのが難しいでしょう。みんな仲良く成長する幻想的経済はあり得ないわけであり、勝ち負けがはっきりする競争社会に近づけることである。勝ち負けをはっきりさせない社会を望むのであれば、現在の衰退を認めるべきでしょう。