ゲームの理論では、敵・味方、与党・野党、権力者・庶民などの二人のプレイヤーで成り立っている。 最近の中国を見ていると、三人のプレイヤーによって中国共産党の基盤が揺るがされているのではないかと思われるようになっている。 三人とは共産党幹部と共産党員・中産階級と庶民であるが、共産党統治の正当性の三つの根拠:経済発展とナショナリズム と軍事力のバランスが極度にアンバランスになっている。経済発展そのものが揺らぎ始め、ナショナリズムと軍事力を必要以上に選択せざるを得なくなっている。 その結果周辺諸国と摩擦を引き起こし、多数の敵を作ることで政権の維持を図ろうとしているように見える。 領海問題では、南アジア諸国、東アジア諸国との諍いは日常茶飯事となっている。香港問題は世界の関心事になっており、米国の制裁が多岐ににわたって実施されようとしている。台湾問題の現状は台湾の軍事力増強が急ピッチで進んでいる。韓半島は休戦協定中であるが、最近の韓国と北朝鮮の相互不信感が抜き差しならぬような展開をしている。米国と中国の経済・政治の対立が主因であるが、オーストラリアとの対立は、インドとの国境問題対立が絡み、インドとオーストラリアの共同歩調が進んでいる。 経済の苦境が、ナショナリズムと軍事力の誇示が重なり合い、中国が漂流を始めているような傾向がかなり不安材料だ。相手がそれなりに対応すると、四方八方に広げた対立をどのように収束させるのかが気にかかる。収束方法がなければ、ぬかるみに陥っていくだけでしょう。 権力者と被支配者であれば、権力闘争が一歩的に行われ解決するが、三角関係になると、政治力行使が、ナショナリズムと軍事力誇示が主体になり、国際関係が極めて脆弱になる。国連の事務総長が、米国、イギリス、フランス、中国、ロシアを名指しで批判している。5か国は真剣に現状認識を共有化しなければ、世界は混乱するばかりでしょう
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孫崎享チャンネル
(ID:18367902)
ゲームの理論では、敵・味方、与党・野党、権力者・庶民などの二人のプレイヤーで成り立っている。
最近の中国を見ていると、三人のプレイヤーによって中国共産党の基盤が揺るがされているのではないかと思われるようになっている。
三人とは共産党幹部と共産党員・中産階級と庶民であるが、共産党統治の正当性の三つの根拠:経済発展とナショナリズム
と軍事力のバランスが極度にアンバランスになっている。経済発展そのものが揺らぎ始め、ナショナリズムと軍事力を必要以上に選択せざるを得なくなっている。
その結果周辺諸国と摩擦を引き起こし、多数の敵を作ることで政権の維持を図ろうとしているように見える。
領海問題では、南アジア諸国、東アジア諸国との諍いは日常茶飯事となっている。香港問題は世界の関心事になっており、米国の制裁が多岐ににわたって実施されようとしている。台湾問題の現状は台湾の軍事力増強が急ピッチで進んでいる。韓半島は休戦協定中であるが、最近の韓国と北朝鮮の相互不信感が抜き差しならぬような展開をしている。米国と中国の経済・政治の対立が主因であるが、オーストラリアとの対立は、インドとの国境問題対立が絡み、インドとオーストラリアの共同歩調が進んでいる。
経済の苦境が、ナショナリズムと軍事力の誇示が重なり合い、中国が漂流を始めているような傾向がかなり不安材料だ。相手がそれなりに対応すると、四方八方に広げた対立をどのように収束させるのかが気にかかる。収束方法がなければ、ぬかるみに陥っていくだけでしょう。
権力者と被支配者であれば、権力闘争が一歩的に行われ解決するが、三角関係になると、政治力行使が、ナショナリズムと軍事力誇示が主体になり、国際関係が極めて脆弱になる。国連の事務総長が、米国、イギリス、フランス、中国、ロシアを名指しで批判している。5か国は真剣に現状認識を共有化しなければ、世界は混乱するばかりでしょう