tako2008 のコメント

国際問題というのは、視点を置く位置によって見方が変わる。
私の知る限り、どちらの国が一方的に「悪だ善だ」ということはない。

真に対立が脅威になるのは、互いに問題解決のための知恵を出さず、
緊張緩和のため努力を放棄してきた時だろう。

中国は、日本を含む欧米諸国にとって既存の国際秩序に挑戦しようとする
迷惑な存在であるが、非欧米諸国にとって見れば、欧米中心の既得権益を
変革しようとする希望的存在でもある。でなければ、AIIBにしろ一体一路
にしろ、これだけ多くの国が中国に協力しようとはしていない。

個人的な見解を恐れずに言えば、今の中国の国家資本主義体制というのは、
将来も社会体制の多様性の一つとして残るのではないかと見ている。

言論の自由や人権問題など課題はあるにしても、あくまで「システム」
として見た場合、非常に優れている。指導者層レベルでの選挙がないため、
近視眼的にならず、長期的視野で国家戦略が立てられるからだ。

また、多くの人が勘違いをしているが、県単位、市町村単位では中国にも
選挙制度があり、民意を反映する手段はある。10億人もの人口を抱えて
いる国だ、生活に関わる不満を解消する手段がなければ、とっくに内戦で
崩壊している。

地方クラスの人民代表大会の代表は一般の有権者によって直接選出され、
県以上の各クラス人民代表大会代表は間接選挙によって選出されている。
つまり実際には、間接的であっても、市民が指導者を選出しているのだ。
言うなれば、「直接民主主義」ではなく「間接民主主義」である。

仕事上、中国の若者と接することもあるが、日本の若者より中国の若者
の方が前向きで希望に満ちた目をしている。私はもう若者と言える歳で
はないが、なぜ憂国する者ですら絶望視しなければならないのか。

マスコミは米国の反中発言や報道を「日替わり弁当」のように流して
いるが、中国を西側体制に導く為に必要なことは、欠点を取り上げて
揚げ足取りをすることではなく、直接民主主義がより優れていること
を実績にて証明することだろう。

No.9 53ヶ月前

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