近年の米中関係には、悪条件が重なり過ぎたのではないか。 トランプ政権については説明するまでもない。 対して、習近平という指導者であるが、権力の座に就くと同時に、 反腐敗運動のもと対立派閥(共青団、上海閥)の有力者を次々に 粛清した強権的な男である。警戒するのは当然だろう。 トランプ、習近平、安倍首相といった非理性的な指導者が台頭し、 そこへ不運にも新型コロナのパンデミックだ。救いがない。 我が国の政治と世論は、いつもながら米中関係に振り回される。 一時は落ち着いたが、数年前も本当に酷かった。 中国包囲網のためにTPPへ参加しろだの、立憲主義を捻じ曲げて 集団的自衛権だの、「ちょっと待て」と事実を冷静に分析すべきと 周囲を説得するのも一苦労であった。今回は香港問題で中国を批判 するくらいで、的外れな政策が強行される心配はなさそうだが。 ウクライナでも、シリアでも、欧米のマスコミが中心に扇動的で 一方的な報道を始めた場合は、まず相手の立場に立って中立的に 考察してみることだ。 <国際世論について> ウィグル問題でも香港問題でも、欧米以外の大多数の国が中国支持だ。 香港国家安全維持法、過半数が支持: https://www.sankei.com/world/news/200701/wor2007010048-n1.html ウイグル問題、中国支持派は過半数の54カ国: https://www.sankeibiz.jp/macro/news/191030/mcb1910301437023-n1.htm 果たして、中国が人権問題で欧米から批判されているのか、 それとも、欧米の独善性が世界から否定されているのか。 ロヒンギャ問題、香港問題、中東やアフリカの紛争、いずれも過去の 欧米の植民地支配、分断統治が招いたものである。 非欧米諸国からすれば、問題を作り込んだ当事者達が正義面して何様だ、 といった心境なのではないか。 <国家安全維持法について> 香港デモの民主派はやり方を間違えた。 ① 香港独立を主張するのは行き過ぎであった ② デモ隊は、星条旗ではなく香港の旗を掲げるべきであった ③ 民主派の指導者は米国の要人と何度も面会するべきではなかった ④ 当然ながら暴力行為や破壊行為を容認すべきではなかった 特に問題なのが、民主派指導者と米国要人との面会である。 民主派指導者と米国の要人との関係 https://vybzscope.com/2019/09/11/post-10016/ デモ指導者達が米国のエージェントというのはプロパガンダであろう。 しかし、米国との繋がりを疑われるような行動を過去に取っているのは 事実であり、中国政府が彼らを警戒するのは当然である。 逆の立場で物事を考えてみる。 もし仮に、ハワイやアラスカで、もしくは、沖縄や北海道で、独立派を 名乗る者たちが「中国国旗」を振りかざして大規模なデモや暴動を行い、 さらに、中国の要人と何度も面会していたら、どう思うか。 個人的には中国政府の危機感は理解できる。 しかし、もう少し穏健なやり方は他になかったのか。これでは香港を 失わなくとも、欧米諸国の不信感は当面払拭できないだろう。 また、香港の格差は本当に酷い。ジニ指数は50を超え、貧民は蜂の巣と 比喩される信じられないほど狭い集合住宅に住む。暴動を起こすほど 人々を貧困に追い詰めたのは、間違いなく中国政府の責任である。
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孫崎享チャンネル
(ID:97363230)
近年の米中関係には、悪条件が重なり過ぎたのではないか。
トランプ政権については説明するまでもない。
対して、習近平という指導者であるが、権力の座に就くと同時に、
反腐敗運動のもと対立派閥(共青団、上海閥)の有力者を次々に
粛清した強権的な男である。警戒するのは当然だろう。
トランプ、習近平、安倍首相といった非理性的な指導者が台頭し、
そこへ不運にも新型コロナのパンデミックだ。救いがない。
我が国の政治と世論は、いつもながら米中関係に振り回される。
一時は落ち着いたが、数年前も本当に酷かった。
中国包囲網のためにTPPへ参加しろだの、立憲主義を捻じ曲げて
集団的自衛権だの、「ちょっと待て」と事実を冷静に分析すべきと
周囲を説得するのも一苦労であった。今回は香港問題で中国を批判
するくらいで、的外れな政策が強行される心配はなさそうだが。
ウクライナでも、シリアでも、欧米のマスコミが中心に扇動的で
一方的な報道を始めた場合は、まず相手の立場に立って中立的に
考察してみることだ。
<国際世論について>
ウィグル問題でも香港問題でも、欧米以外の大多数の国が中国支持だ。
香港国家安全維持法、過半数が支持:
https://www.sankei.com/world/news/200701/wor2007010048-n1.html
ウイグル問題、中国支持派は過半数の54カ国:
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/191030/mcb1910301437023-n1.htm
果たして、中国が人権問題で欧米から批判されているのか、
それとも、欧米の独善性が世界から否定されているのか。
ロヒンギャ問題、香港問題、中東やアフリカの紛争、いずれも過去の
欧米の植民地支配、分断統治が招いたものである。
非欧米諸国からすれば、問題を作り込んだ当事者達が正義面して何様だ、
といった心境なのではないか。
<国家安全維持法について>
香港デモの民主派はやり方を間違えた。
① 香港独立を主張するのは行き過ぎであった
② デモ隊は、星条旗ではなく香港の旗を掲げるべきであった
③ 民主派の指導者は米国の要人と何度も面会するべきではなかった
④ 当然ながら暴力行為や破壊行為を容認すべきではなかった
特に問題なのが、民主派指導者と米国要人との面会である。
民主派指導者と米国の要人との関係
https://vybzscope.com/2019/09/11/post-10016/
デモ指導者達が米国のエージェントというのはプロパガンダであろう。
しかし、米国との繋がりを疑われるような行動を過去に取っているのは
事実であり、中国政府が彼らを警戒するのは当然である。
逆の立場で物事を考えてみる。
もし仮に、ハワイやアラスカで、もしくは、沖縄や北海道で、独立派を
名乗る者たちが「中国国旗」を振りかざして大規模なデモや暴動を行い、
さらに、中国の要人と何度も面会していたら、どう思うか。
個人的には中国政府の危機感は理解できる。
しかし、もう少し穏健なやり方は他になかったのか。これでは香港を
失わなくとも、欧米諸国の不信感は当面払拭できないだろう。
また、香港の格差は本当に酷い。ジニ指数は50を超え、貧民は蜂の巣と
比喩される信じられないほど狭い集合住宅に住む。暴動を起こすほど
人々を貧困に追い詰めたのは、間違いなく中国政府の責任である。