日本のチャイナ肺炎対策は、「感染者全員が次の感染源になるのではなく、感染者の一部(2割程度?)が次の感染源となってクラスターをつくる」という公衆衛生的観察にもとづいて、クラスター潰しに主眼を置いてきた。 その一方で、「肺炎重症者」をCTスキャン検査を活用しつつ拾い上げ、必要な場合は集中治療におくりこんだ。PCR検査はその方針なかで、限界をさぐりつつ活用されてきた。そうはいっても、この方針がいちおう軌道にのりはじめたのは、たぶん3月にはいってからだという印象をもっている。こうしたことは、まあ、見えない人にはなにも見えない。 しかしここにきて様相がかわってきた。感染の小爆発が起きる勢いだ。早ければ週明け、そうでなくても2週間くらいのあいだには、東京都が緊急事態宣言を出し、そうなれば千葉、埼玉、神奈川も同調するだろう。 注意すべきは、日本の戦略ではこうした小爆発は多地域で、あるいは同地域でも何度かくりかえし、おきる可能性があるということだ。緊急事態宣言により爆発が沈静化しても、緩めればまた爆発しそうになり、再度、再再度・・・の緊急事態宣言がおこなわれ、効果の高いワクチンや治療薬の開発(1年以上あと?)までつづく。長引くほど、経済をどうするかが問題になっていく。
チャンネルに入会
フォロー
孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
日本のチャイナ肺炎対策は、「感染者全員が次の感染源になるのではなく、感染者の一部(2割程度?)が次の感染源となってクラスターをつくる」という公衆衛生的観察にもとづいて、クラスター潰しに主眼を置いてきた。
その一方で、「肺炎重症者」をCTスキャン検査を活用しつつ拾い上げ、必要な場合は集中治療におくりこんだ。PCR検査はその方針なかで、限界をさぐりつつ活用されてきた。そうはいっても、この方針がいちおう軌道にのりはじめたのは、たぶん3月にはいってからだという印象をもっている。こうしたことは、まあ、見えない人にはなにも見えない。
しかしここにきて様相がかわってきた。感染の小爆発が起きる勢いだ。早ければ週明け、そうでなくても2週間くらいのあいだには、東京都が緊急事態宣言を出し、そうなれば千葉、埼玉、神奈川も同調するだろう。
注意すべきは、日本の戦略ではこうした小爆発は多地域で、あるいは同地域でも何度かくりかえし、おきる可能性があるということだ。緊急事態宣言により爆発が沈静化しても、緩めればまた爆発しそうになり、再度、再再度・・・の緊急事態宣言がおこなわれ、効果の高いワクチンや治療薬の開発(1年以上あと?)までつづく。長引くほど、経済をどうするかが問題になっていく。