フレデイ タン のコメント

「日本の政治家にはプリンシプルが無い」と戦後政治家をも嘆いて非難したのは軍部独裁に嫌気して相模の森に隠遁した白洲次郎です。

横浜のクルーズ船乗船者に向けて展開されている日本政府のこれまでの対応は白洲次郎が嘆いたプリンシプルの無さが今に至ってしつこくあるのを私は感じます。

日本政府は武漢に飛行機を飛ばして日本人を帰還させた。帰還者を日本の病院でチェックし陰性者は解放し、陽性者を隔離し診療するといった手筈を実施したのです。

横浜に停泊するクルーズ船に武漢と同じプリンシプルが何故適用されないのか?つまり、乗船者全員を全員診察し、陰性と陽性を隔離し、医療が必要な患者は病院で治療する。勿論、陰性者は下船させる。そういうことを何故しないのか?ということなのです。

もう一言、日本が敗戦した時、朝鮮や台湾からの引揚者が博多で長い期間下船拒否に遭った。中には九州のどこにも受け入れる港が無く、浦賀の、まだ正義が残っていた陸軍埠頭で下船が可能だったということだ。勿論、当局は疫痢や赤痢や腸チフスの懸念があって下船拒否を断行していたのだが、今は医学レベルが格段に高い。なのに、横浜のクルーズ船乗員への対応から感ずるのは終戦直後の暗い識見の下で出来上がった慣習が日本のエリートの頭にいまだに巣くっているのではと勘ぐりたくなる。

No.2 58ヶ月前

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