りゃん のコメント

これは孫崎さんが何度も繰り返している話だが、一番最初には、孫崎さんは、他人の引用紹介というかたちで述べていた。いまや孫崎さんは、自分の意見というかたちで述べている。

それで孫崎さんはいいのか。この意見の引用元の他人とは、きわめて親北朝鮮の人物だということは、以前にわたしはここに書いた。

もっとも誰が述べようが、正しい話なら聞く価値はある。ならばこの話は正しいのか。孫崎さんが同じ話を何度も繰り返すなら、わたしも何度も書いたような話を繰り返すしかない。

まず、孫崎さんは、日韓請求権協定について、
======
「国と国との約束を守れ」というのは、この協定を巡る限りは正しい
======
とこの文章で書いている。

ならば、紛争が起きたときの手続き規定である第三条に書いてあることも正しいことになる。では第三条にはなんと書いてあるのか。外務省の文章を引用しておこう。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page4_005119.html
もし孫崎さんの議論が正しいとしても、韓国はそれを、この手続にそって、この手続のなかで述べるべき話なのではないのか。
======
「国と国との約束を守れ」というのは、この協定を巡る限りは正しい
======
のだから。

次に、ドイツや対中の例を出しているが、ドイツはその形式でカネを払っただけである。また、対中では、中国人側の請求権は手続き法的に失われただけだという解釈で、企業側から自発的にカネを払うのは問題ないとされた。これらはカネを払っていなかった話だ。

しかし、韓国側は、実体法的にも請求権は失っているのだ。日本側はカネを払っているからだ。上掲の外務省の文章にもあるように、
======
日本から韓国に対して,無償3億ドル,有償2億ドルの経済協力を約束する(第1条)とともに,両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産,権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決」されており,いかなる主張もすることはできない(第2条)ことを定めており,これまでの日韓関係の基礎となってき
======
た。

さらに条約交渉の経緯を見れば、日本側から個人に(つまりドイツ形式で)払おうというのを、当時の韓国政府がかわりに受け取ったことは明らかである。なのにもし韓国政府がカネを払わないのなら、人権規約のいう「公的資格で行動する者によりその侵害が行われた」というときの「公的資格で行動する者」とは韓国政府である。

それを臆面もなく「おかわり」しようとしているのがいまの韓国である(朴槿恵政権のときまではさすがにそこまで恥知らずではなかった)。

No.4 58ヶ月前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

孫崎享チャンネル

孫崎享チャンネル

月額
¥110  (税込)
このチャンネルの詳細