りゃん のコメント

孫崎さんは北方領土についてこのブログでも何度も書いてきたが、いま検索してみると、ほかで発表したこの文章が短くまとまった形で孫崎さんの従来の主張を伝えているとおもう。
https://biz-journal.jp/2018/11/post_25682.html

従来の主張を前提に今回の記事を読むと、少し「あれ?」とおもうところがある。今回の「国後・択捉については「サンフランシスコ講和条約、および国連憲章等を基礎に解決する」と合意する」というところは、従来の主張であれば、孫崎さんは、「サンフランシスコ講和条約で日本は国後・択捉を放棄している」と主張していた。それに対してわたしは、ロシア(ソ連)はサンフランシスコ講和条約の当事国ではないので、ロシアに対しては必ずしも日本はサンフランシスコ講和条約にしばられない旨主張してきた(なお、孫崎さんは日ソ共同宣言が日ソ間の実質的平和条約であると主張しており、そこに国後・択捉の帰属についての規定はない)。

ここで、今回「国後・択捉については「サンフランシスコ講和条約、および国連憲章等を基礎に解決する」と合意する」と孫崎案はなっていても、孫崎私見では「サンフランシスコ講和条約で日本は国後・択捉を放棄している」のだから、結局「日本は国後・択捉を放棄」することになるのだとすれば、孫崎さんの主張は以前と同じである。

一方、「国後・択捉については「サンフランシスコ講和条約、および国連憲章等を基礎に解決する」と合意する」結果、国後・択捉について日本はさらにロシアと交渉の余地があるのだとすれば、孫崎さんは従来とは説を変えたことになる。

孫崎さんの説明が待たれるところである。

なお、細かい文言はともかく、大筋では、二島返還論というのは、すくなくとも今年(2019年)のはじめには、日本政府(安倍首相)の案でもあった。その点を理解していないコメントもみられるようにおもう。

No.9 59ヶ月前

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