りゃん のコメント

孫崎さんが引用した文章のなかにさえ、
「欧州連合(EU)の欧州委員会が9日公表した5Gに関するリスク評価報告書では、5G網の整備で非EU国の企業などによるサイバー攻撃や違法な情報収集が深刻な脅威になると主張」
と書かれている。米国との関係がどうというのとは別に、ファーウェイの5Gのもつ脅威自体を脅威自体として、EUも認識はしているのだ。
しかし脅威に対する対策のないまま、EU、そしてドイツは5G導入にすすんでいる。

このあたりの感じを、わたしがわりと愛読している川口マーン惠美がタイムリーに伝えていたので、掲載しておく。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67876
この文章の最後近く「たとえEUと中国が対立するようなことになっても、自分たち(注:ドイツのこと)だけは中国と特別な関係を維持できると信じている」とある。
わたしなりに意訳すると、国民は中国についてあまり知らされていないなかで、えらい人たちは「自分たちは中国で失敗しない」とおもっている、となる。
ドイツ銀行でのズブズブを見るにつけても、一定の説得力は感じる。

孫崎さんはロシアのことを取り上げないが、5Gについて、わたしはロシアがどうするか以前から注目していた。つい最近、その回答とおもわれるニュースをめにした。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190902-00029423-forbes-int
この記事で注目すべきは、Lysenko情報担当大臣の、ファーウェイの通信機器に潜むリスクについて、
「ロシアのセキュリティ技術は、いかなる攻撃をも防御できる性能を誇っている」という言葉や、
「必要な安全策を講じつつ、コラボレーションを行っていく」という言葉だ。
つまり、ロシアはファーウェイが安全だとは言っていない(日本のある種の老人とは違う、冷静な認識だ)。
ファーウェイは危険かもしれないが、自分たちはそれを防御できると言っているのだ。
この自信の背景にあるのは、ロシアの卓越したソフトウェア技術やサイバー攻撃技術であり、それらのさらに背後のあるのが諜報の実力や核兵器を含めた軍事力であろう。
中国になにかされたら、ロシアにはやり返す実力があるのだ。

さて、日本には卓越したソフトウェア技術もサイバー攻撃技術もなく、諜報の実力や軍事力もない。スパイ防止法もなく、憲法9条の改正すらできていないのだ。
孫崎さんは英国も引き合いにだしているが、英国はいまでも諜報大国であり、核兵器保有国である。

結局、日本には、ドイツのようなあまり根拠のない自信もなく、ロシアのような安全保障の実力もない。こういうなかでファーウェイの5Gを安易に導入したら、
現在米国につつぬけの情報が、その後は米国と中国の両方につつぬけになるだけだとおもわれる。

なお、孫崎さんは、5Gの技術の利用によっておこる生活環境の革命的変化として、自動運転カーの実用化、遠隔手術、無人化による建設、エンタテインメントの変化をあげているが、
中国が現に実用化しているとおもわれるのは、このリストのなかにないが、香港やウイグルなどでの人物監視であろう。ロシアのような抑止力がないなかで、5G技術を安易に全面的に導入すれば、日本国民の情報はすべて北京で閲覧できることになるであろう。

No.4 62ヶ月前

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