小口の政治献金をソシャルメディアを使用して効率よく集めるという、オバマの選挙運動のころから米国で伸長した手法を、完成した政治家という印象をもっています。共和党はこのへんは民主党に及びませんね。 日本では山本太郎と手法も政策も似ている点があって、わたしはオカシオコルテスにも山本太郎にも、別に支持というわけではありませんが、政治の潮流として強い関心をもっています。 政治的主張としては 1、巨額の財政出動 2、その使い道が福祉、環境、雇用 とまとめられます。 1は、その財源をどうするのかという点で、MMTと強く結びついていますが、MMT自体がもし(米国が)失敗すれば、世界を破綻に落とし込むようなことでしょう。2は、とくにグリーンニューディールの点が清新にみえますが、ゲンパツのあつかいをどうするのか、あるいはゲンパツなしでどうやってそれを実現するのかなど、まだまともな政策にみえません。 しかし現実のインパクトは大きく、たとえば民主党の大統領候補としてのバイデンがこういうことを言い出しています。 https://www.jiji.com/jc/article?k=2019060500706&g=int これをあまり強調すると、バイデンは民主党の大統領候補にすらなれないような気もするのですが、オカシオコルテスらを無視もできないということだとおもいます。 外交政策としては、ベネズエラについては(現在の民主党執行部ともちがって)マドゥロに融和的とみられており、たぶん北朝鮮や中国といった国々とも融和的なのだとおもいます。したがって次の大統領選で民主党候補が勝って彼女が重要な地位を占めれば、いまのトランプのとは外交政策がガラッとかわることが想像され、このへんが孫崎さんの彼女への強い関心を呼ぶのでしょう。 しかし、さらに俯瞰的にみるなら、オカシオコルテスが米国の労働者に約束しようとしたようなことは、日本の団塊プラスマイナス5歳くらいのヒトビトには、自民党がパックスアメリカーナとゲンパツとのなかで、すでに与えていたことでした、という落ちをどうしても思わずにはいられません。今春の統一地方選でも、わたしは注意してみていましたが、老人福祉関係の政策の訴えは(ビラには書かれていても)口頭ではほとんどありませんでした。福祉にこれで終わりということはないのですが、さすがにバランスを欠いているのではないかと、若い有権者が思い、それを候補者もうすうす感じているのだと思います。この観点からみると、日本では豊かな老人こそ米国でいう「富裕層」に当たるとみる若い世代も増えているのではないでしょうか。 日本が米国と異なり、孫崎さんもあまり関心がないようにみえるのは、(50台以下程度までふくむ)若年世代の雇用や福祉の問題で、これは最近の事件で話題の「ひきこもり問題」とも大きく関係があり、もちろん少子化とも強い関係があります。それを安倍政権が導入した移民政策が今後さらに複雑化してゆくことでしょう。そこのみに過激な焦点をあてる政治家がどういうふうに日本で登場するのか、わたしは期待して待っています。
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(ID:13458971)
小口の政治献金をソシャルメディアを使用して効率よく集めるという、オバマの選挙運動のころから米国で伸長した手法を、完成した政治家という印象をもっています。共和党はこのへんは民主党に及びませんね。
日本では山本太郎と手法も政策も似ている点があって、わたしはオカシオコルテスにも山本太郎にも、別に支持というわけではありませんが、政治の潮流として強い関心をもっています。
政治的主張としては
1、巨額の財政出動
2、その使い道が福祉、環境、雇用
とまとめられます。
1は、その財源をどうするのかという点で、MMTと強く結びついていますが、MMT自体がもし(米国が)失敗すれば、世界を破綻に落とし込むようなことでしょう。2は、とくにグリーンニューディールの点が清新にみえますが、ゲンパツのあつかいをどうするのか、あるいはゲンパツなしでどうやってそれを実現するのかなど、まだまともな政策にみえません。
しかし現実のインパクトは大きく、たとえば民主党の大統領候補としてのバイデンがこういうことを言い出しています。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019060500706&g=int
これをあまり強調すると、バイデンは民主党の大統領候補にすらなれないような気もするのですが、オカシオコルテスらを無視もできないということだとおもいます。
外交政策としては、ベネズエラについては(現在の民主党執行部ともちがって)マドゥロに融和的とみられており、たぶん北朝鮮や中国といった国々とも融和的なのだとおもいます。したがって次の大統領選で民主党候補が勝って彼女が重要な地位を占めれば、いまのトランプのとは外交政策がガラッとかわることが想像され、このへんが孫崎さんの彼女への強い関心を呼ぶのでしょう。
しかし、さらに俯瞰的にみるなら、オカシオコルテスが米国の労働者に約束しようとしたようなことは、日本の団塊プラスマイナス5歳くらいのヒトビトには、自民党がパックスアメリカーナとゲンパツとのなかで、すでに与えていたことでした、という落ちをどうしても思わずにはいられません。今春の統一地方選でも、わたしは注意してみていましたが、老人福祉関係の政策の訴えは(ビラには書かれていても)口頭ではほとんどありませんでした。福祉にこれで終わりということはないのですが、さすがにバランスを欠いているのではないかと、若い有権者が思い、それを候補者もうすうす感じているのだと思います。この観点からみると、日本では豊かな老人こそ米国でいう「富裕層」に当たるとみる若い世代も増えているのではないでしょうか。
日本が米国と異なり、孫崎さんもあまり関心がないようにみえるのは、(50台以下程度までふくむ)若年世代の雇用や福祉の問題で、これは最近の事件で話題の「ひきこもり問題」とも大きく関係があり、もちろん少子化とも強い関係があります。それを安倍政権が導入した移民政策が今後さらに複雑化してゆくことでしょう。そこのみに過激な焦点をあてる政治家がどういうふうに日本で登場するのか、わたしは期待して待っています。