りゃん のコメント

いまの米国の路線がいつまで続くのか、予想しがたく、先行き不透明である。

「米国は中国を経済的に叩き潰すまでやる。中国も反発して妥協しない」という前提で考えてみると、
1、日本が米国にしたがう→日本は中国による制裁を受け中国市場を失う可能性がある
2、日本が中国に供給をつづける→中国は米国による制裁で不況になるので日本から中国への輸出は可能であっても中国側の需要自体がなくなる。また、日本も米国による制裁を受け米国市場を失う可能性がある
となる。

1と2とを比べてみると、米国市場を失わないだけ、1のほうがベターだと考える日本国民が多いだろう。自分もそうおもう。

丹羽氏の意見は、財界の代表的意見のひとつとして、じっくり傾聴するには値する(※)。そしてじっさいに、日本の財界は全体としてかなり中国寄りだ。日本側の利益は、米国と中国がそこそこうまくやり、日本も両者とそこそこうまくやる、という点にかかっているという考え方でやっているようで、自民党も二階氏などをみていると、そういう考え方に見える。国賓トランプのことがいろいろ取り上げられているが、習近平にも国賓としての来日を要請しているのだ。そういう日本の考え方が根本的に通用しなくなったのかどうか、慎重に見極めるべきだろう。

米国は恐ろしい国だ。パックスアメリカーナのなかで踊り狂って実利を得ていたヒトビトは、クチ先で米国を批判するのに満足して、どこか米国に対して甘い考えがあるような気がする。あるいは、中国が助けてくれるとか本気でおもっているような気がする。米国は甘くないし、中国は助けてくれない。


※ ただし、丹羽氏は、中国でよくわからない理由で拘束されている自社(伊藤忠)社員ひとりの釈放すらできない。ここに日中関係全体の危うさをみてとれる。

No.3 66ヶ月前

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