イノベーションによる経済拡大主義を2回にわたって、孫崎さんは取り上げている.総量の拡大でなく、経常収支面からとらえた学説もあり、日本を対象にした学説としては、納得性がある。 米国の経済学者キンドルバーガーらの唱える国際収支発展段階説で一国の経済を人生のように6つの段階に分けたものがある。 日本のように、「成熟した債権国」は5段階目に位置する。競争力がピークを過ぎ、貿易収支は悪化するが,過去のたくわえ投資の収益で経常黒字を維持できるというものである。日本の経常黒字の大半は投資収益であり、是正するには、米国工場の閉鎖とか米国債券の売却をしなければならず、米国に不利益になり、米国は簡単に日本に黒字を減らすことを実行させられない。 具体的収益は、 海外子会社直接投資 10兆308億円、外国債券の利子直接投資9兆8529億円であり、貿易黒字は1兆1877億円にすぎない。 海外直接投資は185億円で北米、アジアで10年間2倍になっている。海外証券投資は473億円である。 問題は、6段階目に入る準備をしなければならないことであり、競争力ある商品の開発は避けて通れないし、海外から人材を確保していく努力も欠かせない。20兆円におよぶ巨大な収益が赤字にならないうちに求められるものでしょう。
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孫崎享チャンネル
(ID:18367902)
イノベーションによる経済拡大主義を2回にわたって、孫崎さんは取り上げている.総量の拡大でなく、経常収支面からとらえた学説もあり、日本を対象にした学説としては、納得性がある。
米国の経済学者キンドルバーガーらの唱える国際収支発展段階説で一国の経済を人生のように6つの段階に分けたものがある。
日本のように、「成熟した債権国」は5段階目に位置する。競争力がピークを過ぎ、貿易収支は悪化するが,過去のたくわえ投資の収益で経常黒字を維持できるというものである。日本の経常黒字の大半は投資収益であり、是正するには、米国工場の閉鎖とか米国債券の売却をしなければならず、米国に不利益になり、米国は簡単に日本に黒字を減らすことを実行させられない。
具体的収益は、
海外子会社直接投資 10兆308億円、外国債券の利子直接投資9兆8529億円であり、貿易黒字は1兆1877億円にすぎない。
海外直接投資は185億円で北米、アジアで10年間2倍になっている。海外証券投資は473億円である。
問題は、6段階目に入る準備をしなければならないことであり、競争力ある商品の開発は避けて通れないし、海外から人材を確保していく努力も欠かせない。20兆円におよぶ巨大な収益が赤字にならないうちに求められるものでしょう。