フレデイ タン のコメント

「個人的な自由の無い日本には前途はもう暗闇に見えて来る」と言った小泉八雲の感慨は日清戦争後の日本の浮かれた状況に違和感を覚えたことから来るのでしょう。その後、10年も経たずして日露戦争。ジャーナリスト出身の小泉八雲にはそれがイギリスの実質代理戦争だということがよーく分かっていたに違いないのです。世界中を回って最後の愛すべき国、日本が英米の誘いに乗っている、そして侵略戦争をコミットし始めた。「これはヤバい!」と小泉八雲は思ったのでしょう。

当時の日本の国民性と今の日本の国民性の間には本質的には違いはない、と私は常日頃考えていますから、小泉八雲の著作群の中に在る日本に対する批判的な部分については私ども日本人は真面目に受け止め、反省の材料にしなくてなならないと思うのです。が、これから、褌の紐を締め直して北朝鮮や中国に対して厳しく迫って行こうという自民党の人々には「うるせー!黙れ!」と小泉八雲に八つ当たりしたいのではないですか?

小泉八雲が亡くなると同時に日露戦争が始まり、日中戦争、最後にはあろうことか米国に突撃し玉と砕けた。そして、今、敵だったその米国と日米同盟とか言う好戦的な連合を結び、風雲急を告げつつあるのですから、小泉八雲の警告は無視出来ません。

No.3 70ヶ月前

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