りゃん のコメント

プーチンは、この「モスクワで開かれたロシア経済界との非公開の会合」において、
「日米同盟が解消されたら2島を返す」とすら言っていないことに注意する必要があるとおもいます。

「百兆円くれたらあなたと結婚する」ですらなく、
「百兆円くれないのがあなたとの結婚の障害だ」というのと同曲ですね。
いうまでもないとは思いますが、この二つの意味は違います。
それなのに、「百兆円をやるかどうか」とか「百兆円の解釈」で悩むのは、バカバカしい話ですね。

ロシア側からすれば、北方領土を返して日本と平和条約を結ぶメリットは、
日本からの投資と技術を呼び込み、工場運営や経営のノウハウを学ぶという点に
ありました。だから「ロシア経済界」も北方領土交渉はかなりの関心事項なのでしょうし、
プーチンもそこに配慮して「(交渉を)打ち切ってはならないが」と言っているのでしょう。
しかし、プーチンは2島でさえ返す用意はないことを「ロシア経済界」に、あらためて明らかにしたのだとおもいます
(わたしなどからみてもすでに明らかでしたが、国内事情的に念を押したのでしょう)。

ロシアは軍事力と軍事技術と資源はあり、ある程度のソフトウェア技術などもありますが、経済的には数字の上では韓国程度の国です。安定した民生工業品をつくれる工業力はかれらも欲しいのです。ロシアに投資しうる国は米中独もありますが、沿革やら地政学的環境やらなんやらを総合的に考慮したとき、いちばんおとなしくて言うことを聞くのが日本で、大きな投資では日本を相手にしたいでしょう。

しかし、北方領土交渉の「安倍プーチンラウンド」は、戦略的環境に劇的な変化がない限り、もう終わったと思います。
この結果で安倍首相を批難する向きもありますが、まあ、だれがやっても同じだったでしょうから、最近の首相のなかでは誰よりも努力をしたという点をわたしは評価したいとおもいます。

日本は原点の4島返還の主張に戻るべきでしょう(あるいは日本共産党のいうように南樺太等まで領有権を主張する)。これから100年くらいたつ間には、二度くらいは、またチャンスもあると、これは楽観的ですが想像します。

No.10 69ヶ月前

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