フレデイ タン のコメント

ウオール街を占拠せよ!という運動が先にあった。G7の会合に必ず現れる反グローバリズムの若者のデモも日本以外では通例のこと。今回の黄色いベスト運動は、前二者と同じく、私の受け止めでは、クロポトキンに源流を辿ることの出来るアーナキズム・デモンストレーションだ。左翼でも右翼でも無い。これら若者は「相互扶助」の精神で助け合わなくてはいけない、という理念に基づきバイオレンスに訴えているのだ。

過去に於いてはパリコミューンが1870年代に勃発したし、1968年にはパリ5月革命が起こった。驚くことに中国のじゃり革命と酷評された紅衛兵の盛んな時、上海で「上海コミューン」が勃興している。このコミューンは毛沢東により反革命分子の運動として厳しく弾圧された。いずれの運動も支配者の横暴にレジストするもので新しい支配者を生みだそうとするものでは無い。支配構造が横暴だとこの手のレジスタンスは激しくなる。マクロンは彼らの逆鱗に触れたのだ。長くは続かないだろう。しかし、凄いね!フランス人民は。彼らに乾杯を!

米国ではこの手のレジスタンスは常に発生しているが、世論は黒人暴動として扱い、人種問題に還元している。もし、米国の、いや、ウオール街が世界政府を造れば、全てのレジスタンスは人種問題として処理され、金持ち以外は全部奴隷となるであろう。そういうことを「黄色いベスト」は暗示している。

No.3 72ヶ月前

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