日本の天皇は、古代はともかく、かなりの大昔から、ナポレオンのように軍を直接率いたり、 自分で親政する皇帝とは全然違う存在なので、 「皇帝のようには機能していないぞ」という意味のニューマンの指摘は悪意あるいは無知でしょうね。 軍部の専横という点では、法技術的に、軍部を統御できる権力を「内閣」に与えれば、軍部の専横を防げたとおもわれますが、 明治憲法ではそのようにしなかった。そもそも「内閣」ですら憲法上の制度ではなかったわけです。 どうしてそのようになったかについては井上毅の考え方が強い影響を与えたといわれています。詳細は略しますが、 まあ、人民などを信用していたら、国が分裂して列強に侵略されてしまうというようなものですね。 当時の日本の置かれた状況では、無理もないとわたしはおもいます。 問題は、それを情勢を見ながら十分に改定することができなかった硬直性だとおもいます。 今現在なら、憲法9条がそれにあたるでしょうか。 なお、「天皇には権力があるが、天皇は自分では行使しない」というのは、「自分の望む権力を天皇に行使してほしい」という 形で権力批判の原理になってきました。それは明治維新の原理そのものだったし、 2.26事件の反乱軍の指導原理は、君側の奸を除き天皇親政をというものでした(昭和維新と反乱軍は称した)。 つい先日の秋篠宮による宮内庁長官批判をサヨクが歓迎しているのも、君側の奸=安倍政権とみているわけですね。 しかし、2.26事件を考えても、日本ではこれは天皇を利用したたいへん起爆力のある権力批判原理なのですが、 それをサヨクがサヨクのくせに利用しているあたりは、アホっぽいとおもいます。
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孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
日本の天皇は、古代はともかく、かなりの大昔から、ナポレオンのように軍を直接率いたり、
自分で親政する皇帝とは全然違う存在なので、
「皇帝のようには機能していないぞ」という意味のニューマンの指摘は悪意あるいは無知でしょうね。
軍部の専横という点では、法技術的に、軍部を統御できる権力を「内閣」に与えれば、軍部の専横を防げたとおもわれますが、
明治憲法ではそのようにしなかった。そもそも「内閣」ですら憲法上の制度ではなかったわけです。
どうしてそのようになったかについては井上毅の考え方が強い影響を与えたといわれています。詳細は略しますが、
まあ、人民などを信用していたら、国が分裂して列強に侵略されてしまうというようなものですね。
当時の日本の置かれた状況では、無理もないとわたしはおもいます。
問題は、それを情勢を見ながら十分に改定することができなかった硬直性だとおもいます。
今現在なら、憲法9条がそれにあたるでしょうか。
なお、「天皇には権力があるが、天皇は自分では行使しない」というのは、「自分の望む権力を天皇に行使してほしい」という
形で権力批判の原理になってきました。それは明治維新の原理そのものだったし、
2.26事件の反乱軍の指導原理は、君側の奸を除き天皇親政をというものでした(昭和維新と反乱軍は称した)。
つい先日の秋篠宮による宮内庁長官批判をサヨクが歓迎しているのも、君側の奸=安倍政権とみているわけですね。
しかし、2.26事件を考えても、日本ではこれは天皇を利用したたいへん起爆力のある権力批判原理なのですが、
それをサヨクがサヨクのくせに利用しているあたりは、アホっぽいとおもいます。