付記しますが、ヤルタでソ連参戦を決めたのも、北方領土について決めたのも、米英ソの「密約」です。ですからポツダム宣言に出てきませんし、少なくとも公式には、ポツダム宣言受け入れ時の日本のあずかり知らぬことです(*1)。 もっとも、この秘密協定部分については、米上院は昭和26年、サンフランシスコ講和条約を批准承認する際、ヤルタ密約の項目を「含めない」との決議をしているし、その後もアイゼンハワー政権が密約部分をルーズベルトの個人文書としています。英国は立場を明らかにしていませんが、チャーチル自身は密約に疑義を持っていたことが明らかになっています。これらを受けてでしょうか、日本政府はヤルタ密約について、「当時の連合国の首脳間で戦後の処理方針を述べたもので、領土問題の最終処理を決定したものではなく、当事国として参加していない日本は拘束されない」(平成18年2月8日、国会答弁)という立場です。孫崎さんがそれを知らないはずはないのに、言わないのはおかしくありませんか?いったいどこの国に遠慮しているのでしょう。 *1 戦後、日本が「当事者」として決めた沖縄での密約について、あれほど問題にするひとたちは、なぜこちらの密約については黙っているのでしょう。やはり「反米」が足りないのです。
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孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
付記しますが、ヤルタでソ連参戦を決めたのも、北方領土について決めたのも、米英ソの「密約」です。ですからポツダム宣言に出てきませんし、少なくとも公式には、ポツダム宣言受け入れ時の日本のあずかり知らぬことです(*1)。
もっとも、この秘密協定部分については、米上院は昭和26年、サンフランシスコ講和条約を批准承認する際、ヤルタ密約の項目を「含めない」との決議をしているし、その後もアイゼンハワー政権が密約部分をルーズベルトの個人文書としています。英国は立場を明らかにしていませんが、チャーチル自身は密約に疑義を持っていたことが明らかになっています。これらを受けてでしょうか、日本政府はヤルタ密約について、「当時の連合国の首脳間で戦後の処理方針を述べたもので、領土問題の最終処理を決定したものではなく、当事国として参加していない日本は拘束されない」(平成18年2月8日、国会答弁)という立場です。孫崎さんがそれを知らないはずはないのに、言わないのはおかしくありませんか?いったいどこの国に遠慮しているのでしょう。
*1 戦後、日本が「当事者」として決めた沖縄での密約について、あれほど問題にするひとたちは、なぜこちらの密約については黙っているのでしょう。やはり「反米」が足りないのです。