りゃん のコメント

なんども書きましたが、器械の寿命ということを考えれば、再稼働させないままの原発でも数十年後には安全限界がきてもはや運転できなくなります。新規の原発建設が日本では現実的には考えられないので、いずれ、仮にいって50年後には、日本ではいま再稼働させるにしろさせないにしろ稼働できる原発はなくなり、すべての原発は廃炉にするほかなくなります。今の「再稼働派」も、この事実を受け入れたうえで、それまでの間使える原発は稼働しようじゃないかというものであり、新規建設派は実際上いません。これが一点目。

次に、使用済み核燃料保管の問題は「すでに生じている問題」であり「再稼働してもしなくてもどっちの場合も消えてなくならない問題」です(いわゆるサンクコスト)。原発の危険の問題も、停止中の原発でも危険なのであって、再稼働しなければ安全というものではありません。ただ、程度の差があるだけです。これが二点目。

第三に、現在程度の技術では、再生可能エネルギーだけで一国の電力寿命ほとんどをまかなえた国はありません(きわめて小さい国のことはしりません)。スイスのように原発廃止の方針なのに、最近再稼働した国もあります。

第四に、アブラもガスもただではありません。かならずどこかにしわ寄せは来ます。

私自身は、いまある原発が使えるうちは再稼働しつつ、蓄電技術の開発などに資金を投入していくべきだという考えですが、こういう問題は最終的に投票箱で決めるべきだとおもっています。

来年の参院選のときを国民投票の日とでもして、9条改正とともに、国民投票に付してはどうでしょうか。そのようにしたほうが、陰謀論めいた議論の空中戦ではなく、諸外国の実情や再生可能エネルギーの実用水準等々の具体的科学的な議論が報道されて国民の目に触れる機会が増えると思います。

No.9 76ヶ月前

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