東京スカイツリーの総事業費、約650億円。 福島第一の廃炉費用、最低でも1兆円超。 その他諸費用、およそ数兆円。 この国の感覚は、ジリジリと麻痺してきています。 かのシンボルツリー100本分にも及ぶであろう金銭的被害と、 技術、行政、大企業が失った信頼の大きさとを秤にかけて、 今なお原発の社会的立ち位置が変わらないとするならば、 それはもはや合理性すら超越した信仰と言ってもよいでしょう。 無論、経済は一つの巨大な生命体である以上、 急激な変化に対しては、より慎重でなければなりません。 原発の再稼働についても、状況によっては、 柔軟な対応が必要とされるかもしれません。 しかし、これだけの国家的損失をもたらした一企業が、 自らの手の内を公に隠したまま、 公的援助を乞う権利があると思っているのならば、 それは甚だしい勘違いもいいところです。 今後の原発、その他エネルギー行政について、 コスト、危険性、法的扱いなど、全ての要素を国民に晒すことは、 かの企業が公的支援を受ける上で、最低限の義務です。 そして、あらゆるエネルギーについて、 金銭的あるいは人的資源が、いかなる用途で使われているのかを、 国民が余すことなく把握することこそが、 エネルギーの新時代を迎える第一歩となるでしょう。
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孫崎享チャンネル
(ID:364177)
東京スカイツリーの総事業費、約650億円。
福島第一の廃炉費用、最低でも1兆円超。
その他諸費用、およそ数兆円。
この国の感覚は、ジリジリと麻痺してきています。
かのシンボルツリー100本分にも及ぶであろう金銭的被害と、
技術、行政、大企業が失った信頼の大きさとを秤にかけて、
今なお原発の社会的立ち位置が変わらないとするならば、
それはもはや合理性すら超越した信仰と言ってもよいでしょう。
無論、経済は一つの巨大な生命体である以上、
急激な変化に対しては、より慎重でなければなりません。
原発の再稼働についても、状況によっては、
柔軟な対応が必要とされるかもしれません。
しかし、これだけの国家的損失をもたらした一企業が、
自らの手の内を公に隠したまま、
公的援助を乞う権利があると思っているのならば、
それは甚だしい勘違いもいいところです。
今後の原発、その他エネルギー行政について、
コスト、危険性、法的扱いなど、全ての要素を国民に晒すことは、
かの企業が公的支援を受ける上で、最低限の義務です。
そして、あらゆるエネルギーについて、
金銭的あるいは人的資源が、いかなる用途で使われているのかを、
国民が余すことなく把握することこそが、
エネルギーの新時代を迎える第一歩となるでしょう。