りゃん のコメント

孫崎さんのいうように、公的教育投資のGDP比はOECD諸国で最低水準の日本ですが、その一方で私的教育投資は世界最高水準であることも書かないと、ミスリーディングでしょう。

この私的教育投資負担が家計にのしかかる一方、教育負担しても受益が昔と比べてハッキリ見えないために(※)、負担感が強く、大学教育費の一部を公的負担でまかなえという声につながるのだとおもいます。

しかし一般に大学まで進学させる家庭は高校までの家庭に比べて高所得なので、大学教育を安易に無償化したり学費の一部免除をするのは、低所得家庭から高所得家庭への所得分配という一種の不正義が生じてしまいます。
その一方で、平均すれば、大卒の生涯所得は高卒の生涯所得に比べて、大学の学費をひいてもかなり高いので、大学の学費を各家庭が負担するのは理にかなっています。

従って、大学教育を受けやすくする方策としては、低利・超長期のローンの拡大や返済免除要件の拡大で対応すべきで、
公的教育投資を増やすとすれば、学費部分とは無関係な大学そのものの充実(施設や研究環境の改善、教員待遇の改善など)にあてるべきだとおもわれます。
また、高校までの教育(とくに幼児教育)への投資は、いっそう充実させるべきでしょう。

それにしても、こういう詩の世界は、
http://zawameki.org/poem/poem4.html
サヨクにとって一種の理想郷とおもいますが、そこに出てくる男女がさして高学歴ともおもえません(職業教育は十分に受けている)。
そういう方面からの考察も孫崎さんには期待したいところです。


※多くの人が大学に行くようになると、大卒という学歴の価値が下がる

No.8 86ヶ月前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

孫崎享チャンネル

孫崎享チャンネル

月額
¥110  (税込)
このチャンネルの詳細