フレデイ タン のコメント

私は「日米開戦へのスパイ」を孫崎先生の多くの素晴らしい作品の中でNO.1だと高く評価する者です。二度読みました。ついでに本中に紹介されている「A MAN CALLED INTREPID」と「グッドバイ・ジャパン」も読みました。私の両親が若いころに起こったすさまじい政治劇なので読んでいて興味が尽きることがありませんでした。

私の父は商船の船乗りだったのです。母の話ですが、父は2.26事件に衝撃を受けていたらしい。勿論、青年将校たちの主張に同調してのことです。その青年将校たちを縛り付けたのが東条氏だったということを孫崎先生のコメントで知って、組織で台頭するのには陰湿性が不可欠だということでしょうか。東条氏たちの権力奪取の手口は陰惨そのものです。私が小学生高学年の頃、政治家になりたいとおふくろに言ったら、ただ一言「死ぬ覚悟でせんといかんばい」と答えたのです。おふくろは当時の政治に絡む陰惨を感じていたのでしょう。私は死ぬのはいやだったからやめました。日本の現代政治のインサイドが一体どうなっているか私は知りませんが、米国の現代政治はすさまじい。東条氏や近衛氏が凄まじい権力抗争していた当時の様相と似た状況が米国の今の政界で展開されているのです。

読んでない人にこの本をお勧めします。特高や思想犯専門の刑事の「汚い手口」にはぞっとしますよ。そしてその歴史は米国の政治の裏側を読み解く意味でも実に参考になると思います。

No.3 88ヶ月前

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