りゃん のコメント

>>10
私も郷原氏の論考を11日のお昼頃読みました。

1、 「挙証責任」については、高橋氏が唱えていたのを初めて聞いたときに、根拠がいまひとつよくわからなくて、自分で調べてみたことがありますが、よくわからなかったことがあります。
今回、郷原氏の議論が出たので、この点についての議論がプロの論者間ですすむことが期待できるとおもいます。

現時点で私がおもっているのは(私見です。まちがってるかもしれません)、
ア、「挙証責任」は、「石破4条件」自体から出てくるものではない。この点では郷原氏のいうとおりだと私もおもいます。また、高橋氏も「石破4条件」自体から出てくるという言い方はしていなかったとおもいます(ここは郷原氏に誤解がある??)。
イ、「挙証責任」の問題は「構造改革特別区域基本方針」の段階ですでに意識されており、「国家戦略特区」でも問題意識がひきつがれ、少なくとも規制反対の側は、規制する側に「挙証責任」を負わせるという意識だったとおもいます。

イの根拠になるのは、「第5回国家戦略特区ワーキンググループ(議事概要) 」です。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/dai5/gaiyou.pdf
このなかに、(省略しつつ引用)

「(略)立証責任をどちらに置くかというのは極めて重要な問題だと思う。憲法で職業の選択の自由とか、営業の自由とか、住居選択の自由とかみんな与えられているので、(略)それを規制するほうに立証責任があるというのは当たり前の話です。(略)構造改革特区の基本方針の中でこのことの挙証責任を役所側に負わせている(略)これは極めて重要で、元来
自由であるべきところに規制をしたのならば、その根拠をちゃんと示させる必要がある」

と記されています。

論点となるのは、この意識が役所(規制側)の方にどこまで共有されていたかということですね。仮にこれが国家戦略特区の基本方針として各役所を拘束する方針であれば、「石破4条件」の上にたつものですから、「石破4条件」の挙証責任は文科省側にあることになります。

なんにせよ、プロの議論を待ちたいとおもいます。
ただ、私自身はこの問題にあまり深入りする意味を感じません。というのは、これは結局のところ行政内部の権限争いの話ですから、国民の側からすれば、出てきた結果(この場合は「今治に加計学園による獣医学部建設を認める」)の合理性だけを判断すればいいと考えるからです。

2、郷原氏がおわりのほうで述べている、「規制緩和による新利権を防止するにはどうしたらいいか」「今治に獣医学部をつくって本当に地域の振興になるのか」「卒業生がそこに残るのか」という論点は、私も非常に重要だと思います。そういう議論を国会ですべきだと私もここで以前に書いたことがあるはずです。しかし今の野党側の議論は、「安倍首相の関与」を認めさせることにとらわれるあまり、まったくそういう議論ができていないとおもいます。

No.13 89ヶ月前

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