りゃん のコメント

何日か前、「のぶたろう」さんが私にコメをつけて、

「大事なこと要するに(引用者略)国民に真実を開示する事。そして公正な判断による行政を権力者の個人的な利権による政策誘導から真の国民の利益の為に取り戻す事でしょう」

と書いておられるのをさっき発見しました。新しくたえず更新されるこの孫崎ブログで、以前の私の書き込みのその後のコメントチェックには漏れがあることもあるので、いつもお答えはできないことを、おことわりします。

さて、そのコメントへの返答ですが、私は「国民に真実を開示する事」にはもちろん賛成です。ですから、上で書いたように、証人喚問すればいいとおもいます。ただ国会という(日程的にも人員的にも)有限な資源の使い方としては、どうなんだろうとは思いますけどね。さらに森友にしても加計にしても、今までの新聞報道等で、だいたい主要な真実は明らかになってると思いますよ。それでも証人喚問やったほうが良いとは思いますが。

もうひとつ、「のぶたろう」さんは、「公正な判断による行政を権力者の個人的な利権による政策誘導から真の国民の利益の為に取り戻す」とおっしゃいますが、そんな「のぶたろう」さんには、最高裁判決(いわゆる「猿払事件」判決です)の次の一節をプレゼントいたしましょう。

「・・・公務のうちでも行政分野のそれは、憲法の定める統治組織の構造に照らし、議会制民主主義に基づく政治過程を経て決定された政策の忠実な遂行を期し・・・」

意味はわかりますよね?
行政分野の公務員は「議会制民主主義に基づく政治過程を経て決定された政策」を忠実に遂行せよといっています。
「憲法の定める統治組織の構造に照らし、議会制民主主義に基づく」というのは、ごく簡単にいえば、法律違反はできないということでしょうね。法律違反はできないが、あとは(行政内部の政策決定過程でいろんな議論はするにしても)公務員は最終的には決まったことを「忠実に遂行」しなきゃならないんですよ。そして政策の最終決定者はもちろん内閣総理大臣です。
前川さんは、記者会見のときにいろいろと加計学園について批判をしていましたが、根拠としてあげたものはすべて行政内部の規範でした。もうおわかりですね。
まあ、少なくとも自分がきにいらない政策決定のことを「権力者の個人的な利権による政策誘導」とレッテルを貼るのはやめましょう。

No.9 90ヶ月前

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