ジャーナリスト青木理氏の最新刊「安倍三代」(2017年 朝日新聞出版)を買い求め、丁度読み終えたところです。安倍寛および安倍晋太郎、そして安倍晋三の、いわゆる安倍家三代の軌跡を綿密な取材をもとに活写するとともに、現政権のありようとその問題点を本格的に問い返した労作です。 その中で、安倍晋三氏が祖父寛氏や父晋太郎氏と違って、いかに凡庸でつまらない指導者であるか、その実像が、余すところなく描かれています。生育期から青年期を通じて、いくら取材しても悲しいまでに凡庸で、ただ要領が良いだけの何の変哲もない男。 神戸製鋼入社も明らかな「コネ」。もと上司でのち副社長にまでなった方の、晋三評。「今に繋がる右翼的な雰囲気など当時はまったくなく、子犬のような普通のいい子。それが政界入り後、周りに感化されて、まるで子犬が狼の子と群れているうちに、あんな風になってしまった。あれは間違いなく後天的なもの。」 成蹊大学時代、ゼミの教員でのち法学部長から学長にまでなった方の、晋三評。「彼は憲法が何かも分っていない。私の授業もちゃんと聞いていなかったに違いない。彼は首相としてここ2~3年間に大変なことをしてしまった。日本の在りようを変え、危険な道にこの国を引っ張り込んでしまった。よほど忠告する手紙を書こうと思ったのだが。」 この程度の人物が為政者として日本の政治の頂点に君臨し、戦後営々として積み重ねてきた「この国のかたち」を変えつつあることに、今、大いなる危機を感じます。
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孫崎享チャンネル
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ジャーナリスト青木理氏の最新刊「安倍三代」(2017年 朝日新聞出版)を買い求め、丁度読み終えたところです。安倍寛および安倍晋太郎、そして安倍晋三の、いわゆる安倍家三代の軌跡を綿密な取材をもとに活写するとともに、現政権のありようとその問題点を本格的に問い返した労作です。
その中で、安倍晋三氏が祖父寛氏や父晋太郎氏と違って、いかに凡庸でつまらない指導者であるか、その実像が、余すところなく描かれています。生育期から青年期を通じて、いくら取材しても悲しいまでに凡庸で、ただ要領が良いだけの何の変哲もない男。
神戸製鋼入社も明らかな「コネ」。もと上司でのち副社長にまでなった方の、晋三評。「今に繋がる右翼的な雰囲気など当時はまったくなく、子犬のような普通のいい子。それが政界入り後、周りに感化されて、まるで子犬が狼の子と群れているうちに、あんな風になってしまった。あれは間違いなく後天的なもの。」
成蹊大学時代、ゼミの教員でのち法学部長から学長にまでなった方の、晋三評。「彼は憲法が何かも分っていない。私の授業もちゃんと聞いていなかったに違いない。彼は首相としてここ2~3年間に大変なことをしてしまった。日本の在りようを変え、危険な道にこの国を引っ張り込んでしまった。よほど忠告する手紙を書こうと思ったのだが。」
この程度の人物が為政者として日本の政治の頂点に君臨し、戦後営々として積み重ねてきた「この国のかたち」を変えつつあることに、今、大いなる危機を感じます。