p_f のコメント

以下、「絶望の裁判所」(瀬木比呂志著)からです-

日本の社会には、それなりに成熟した基本的に民主的な社会であるにもかかわらず、非常に息苦しい側面、雰囲気がある。その理由の一つに、「法などの明確な規範によってしてはならないこと」の内側に、「してもかまわないことにはなっているものの、本当はしないほうがよいこと」のみえないラインが引かれていることがあると思われる。デモも、市民運動も、国家や社会のあり方について考え、論じることも、第一のラインには触れないが、第二のラインには微妙に触れている。反面、その結果、そのラインを超えるのは、イデオロギーによって導かれる集団、いわゆる左翼や左派、あるいはイデオロギー的な色彩の強い正義派だけということになり、普通の国民、市民は、第二のラインを超えること自体に対して、また、そのようなテーマに興味をもち、考え、論じ、行動すること自体に対して、一種のアレルギーを起こすようになってしまう。不幸な事態である...日本の裁判所は、実は、「裁判所」などではなく、精神的被拘束者、制度の奴隷・囚人たちを収容する「日本列島に点々と散らばったソフトな収容所群島」にすぎないのではないだろうか?その構成員が精神的奴隷に近い境遇にありながら、どうして、人々の権利や自由を守ることができようか?みずからの基本的人権をほとんど剥奪されている者が、どうして、国民、市民の基本的人権を守ることができようか?これは、笑えないパラドックスである。

No.13 92ヶ月前

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