実は、漱石は内定していた東大教授の職を辞して朝日新聞社に入社している。この点も、コレージュ・ド・フランスをこばんだサルトルと共通する。 しかし、それ以上に重要な、漱石とサルトルとの共通点は、学問並びに思想上の「自由」を掲げていることだ。かつ、それを当局の権威を恐れずに堂々と開陳しているその勇気と、その論理を言語化するだけの卓越した頭脳だ。 権威への従属は自由から最も遠く、かつ醜いもので、自分なりの生き方をもっている人間にとって本来耐え難いものであるはずだが、権威をやたらにありがたがり、「えらい人」というだけでペコペコし、自分の意見すらまともに言えないことが――そうしたことは往古今来ありふれたことだが――今や少しも醜いことではないかのような風潮になっている。 つまり腐敗しているのだ、時代そのものが。 いつも、「寺ちゃん」の孫崎さんの回を聴いているが、いつ聴いても言うべきことを言い、われわれにも分かるように明確に説明し、公平にものごとを考えている孫崎さんのものの言い方の爽やかさには感服し、かつ、影響されもする。 孫崎さんもノーベル平和賞をもらってよいほど、国民の自由享受の戦いに、「言論」で参加している自由の闘士だが、恐らく、ノーベル賞は辞退されるでしょう。孫崎さんならそれができると思う。
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孫崎享チャンネル
(ID:11773811)
実は、漱石は内定していた東大教授の職を辞して朝日新聞社に入社している。この点も、コレージュ・ド・フランスをこばんだサルトルと共通する。
しかし、それ以上に重要な、漱石とサルトルとの共通点は、学問並びに思想上の「自由」を掲げていることだ。かつ、それを当局の権威を恐れずに堂々と開陳しているその勇気と、その論理を言語化するだけの卓越した頭脳だ。
権威への従属は自由から最も遠く、かつ醜いもので、自分なりの生き方をもっている人間にとって本来耐え難いものであるはずだが、権威をやたらにありがたがり、「えらい人」というだけでペコペコし、自分の意見すらまともに言えないことが――そうしたことは往古今来ありふれたことだが――今や少しも醜いことではないかのような風潮になっている。
つまり腐敗しているのだ、時代そのものが。
いつも、「寺ちゃん」の孫崎さんの回を聴いているが、いつ聴いても言うべきことを言い、われわれにも分かるように明確に説明し、公平にものごとを考えている孫崎さんのものの言い方の爽やかさには感服し、かつ、影響されもする。
孫崎さんもノーベル平和賞をもらってよいほど、国民の自由享受の戦いに、「言論」で参加している自由の闘士だが、恐らく、ノーベル賞は辞退されるでしょう。孫崎さんならそれができると思う。