当時は、歯舞諸島近海で、日本の漁船がソ連に拿捕される事件が頻発しており、歯舞の返還は日本にとって大きなメリットがあったはずである。その提案を拒否した、いや、拒否せざるを得なかったのは米国からの恫喝以外考えられない。 米ソは冷戦の最中であり、日本がソ連に近づくことは、米国として絶対に許せなかったのだろう。 そもそも、米国などがヤルタ会談でソ連に与えると約束したのは「千島列島」であり、根室半島周辺の歯舞や色丹は含まれていなかった。だから、むしろ米国がソ連に対して「歯舞色丹は日本に返せ」と言うべきだったのに、逆の行動をとっていたのだ。 このことは、米国は「日本の味方」ではなく、米国の所有物と考えていたのではないか。その考えが、今でも続いており、原発再稼働やTPP、沖縄の米軍基地などでも、国民の願いとは逆の判断を日本政府に強要しているのだ。
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孫崎享チャンネル
(ID:18982160)
当時は、歯舞諸島近海で、日本の漁船がソ連に拿捕される事件が頻発しており、歯舞の返還は日本にとって大きなメリットがあったはずである。その提案を拒否した、いや、拒否せざるを得なかったのは米国からの恫喝以外考えられない。
米ソは冷戦の最中であり、日本がソ連に近づくことは、米国として絶対に許せなかったのだろう。
そもそも、米国などがヤルタ会談でソ連に与えると約束したのは「千島列島」であり、根室半島周辺の歯舞や色丹は含まれていなかった。だから、むしろ米国がソ連に対して「歯舞色丹は日本に返せ」と言うべきだったのに、逆の行動をとっていたのだ。
このことは、米国は「日本の味方」ではなく、米国の所有物と考えていたのではないか。その考えが、今でも続いており、原発再稼働やTPP、沖縄の米軍基地などでも、国民の願いとは逆の判断を日本政府に強要しているのだ。