Mythe et poeme のコメント

もう「マスメディア」そのものの存在意義が薄れて久しいと思われる。わたしは20年以上前に「朝日」には飽きている。ヨミウリももちろん。日曜版などにおける<趣味><文化>などの欄が「マス」を対象に、平均値化し、良い意味でも悪い意味でも特徴の無い、内容になっていた。誰にも反発を買わない、耳触りのいい記事がならぶ日曜の朝・・・。だから誰の心にも刺激をあたえない。
「マス」を対象にしたメディアの、平均値化した情報発信は、すでに受け取り手がなくなりつつある。おじいちゃん、おばあちゃんは、ともかく、若い世代は価値感が多様で、耳触りのいい情報には反応しない。
まして、今や、ウェブ2・0の双方向コミュニケーションのなかで育ってきた人びとが、一方的な情報発信に反応しないのは当然だろう。
たしかに、政治的な問題もあろうが、朝日の凋落はずっと以前に兆していたと、私は思う。それがここへきて一気に顕在化したのではないか。
顕在化の原因は一つではなく、ウェブの浸透、経済的中間層の崩壊もからむだろう。
しかし、深部では、「情報」をどこか大きな権威が伝達するようなシステムがもはや機能しないような社会へとわれわれが移行するという大転換が進行しているということがあり、その影響を一番もろに受けているのがアサヒだというように見える。
アサヒは、記者がひとりひとり、時代の大転換と向き合って、「思考」しながら記事を書くことだと思う。そうすれば、おのずと読者はもどるのではないか。読者が減ったからといって、読者に受ける内容とは何かなどと考えだすとますます「マス」を対象とした耳触りのよい、平均値化した記事が紙面を占めるようになり、読まなくても内容が予想できる紙面になるだろう。
何が書いてあるのか、予想できないような、紙面を作ってみる度胸があるかどうか、それが問題だ。

No.7 99ヶ月前

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