国際法を無視した中国の西方海域侵奪、ミサイルと核実験を重ねる北朝鮮の瀬戸際政策
と隣邦の動きにキナ臭さを増すなか、安倍政権の強気な対応がめだつ。
それでいいか、と自問する国民世論のなかにも、戦後70年間の営為を忘れて、幕末改憲
派の主張を受け入れそうな流れが露わになっている。
そんな国民の気を引き戻し、世界情勢の冷静な分析と深層考察がいかに重要かに気付か
せてくれるのが本書である。
国際情報戦の真っただ中に長年身を置き、一触即発の修羅場を体験してきた筆者が、本
書中に披露する秘話やデータはその一つ一つが貴重だが、それらを基にして得られた結論
が安倍政権の目指す方向とは真逆であることは。読者にとって意外そのものだ。
著者によれば、「テロとの戦いがテロを誘発」し、「集団的自衛権こそが平和を壊す」ので
あり、「日本の軍事力が実は無力」なのだ
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コメント
とても良い書評ですね。若い人たちに沢山売れて読まれればいいですね。日本のテレビや新聞が作り上げる世界はこういう真実を伝え訴える本が売れないように努めて久しく、日本の前途はとても暗いと感じます。しかし、安倍氏が敵視する東アジアの諸国が一定の良識と抑制機能を幸い保有していますから、私には一定の安心感はあります。
(ID:18367902)
長く対立して決着がつかない問題は、米国的なものの考え方と、ロシア、中国的なものの考え方である。どちらがいいとも悪いともいえない。米国圏で生活すれば、米国的考え方が正義であり、ロシア、中国圏で生活すれば、ロシア、中国的考え方が正義であり、どちらかを戦争などで倒せば、解決する問題ではない。
どちらに問題が多いかといえば、米国側に多いことは、戦後の世界各地における紛争戦争を冷静に眺めればわかることであるが、米国の不要な内政干渉によって、米国の論理を押し付けようとして、ほとんどの戦争が始まっている。ネオコンに支配された無意味な戦争を続けているに過ぎない。中近東においては、イスラエルの存在を確固たるものにしようとする戦争がすべてであり、北朝鮮は、米国のアジア圏における権益の確保であり、アジアの平和を求めるよりも、アジアに混乱と紛争を永続的に継続させ、米国の関与を維持していくことだけである。アジアがまとまってはならず、日韓が北朝鮮中国と対立しなければ困るといえる。米国の戦略が強くとも、辛抱強く長期的中華国家を夢見ている中国の壮大な計画を挫折させることなどできない。歴史を忘れようとする日本民族とはスケールが根本的に違うのです。大陸同士はわかっていることである。中国からは日本がよく見えるが、日本側から中国がよく見えないという大局観のなさは、日本の根本的欠陥というべきでしょう。