KUBOTA のコメント

 「日本はこわい国になった」(それも国民の意識が)の孫崎さんの受け止めに同感.しかし,これは今に始まった事ではなく,今まで自由平等の民主主義的考え方が主流の中で,少し下の方に沈積して隠れていた社会意識の構造と個人的には認識をしている.

 どこの国でも多かれ少なかれその様な人は居るのだが,物事の善悪判断においても「損得勘定」をベースにして考え判断・行動をする.そんな損得勘定意識が,特に日本の人の意識構造の中に深く埋まっているように思える.端的に言えば日本の「民主主義」が敗戦によって半ば受動的に得たものなのと,戦前の社会支配構造がほとんど温存され引き継がれた結果,70年を過ぎた今でも人々の「民主主義」意識が半熟状態で過ぎて来たことに起因すると考える.

 よくあるのは「そんな事を言ったら損をする」,「黙っていた方が得」,「政治的なことは言わない方が得」などの寄らば大樹の蔭,周囲からの知ったかぶりの囁きアドバイス.そんな経験も過去にある.それが「見ざる,聞かざる,言わざる」の「三猿」事なかれ主義・風潮を育てている.

 この「三猿」意識のようなものが進化すると,三猿の対局にある「自由と民主主義」,「見る,聞く,言う」ような人々を異端視し,人種差別に似た抑圧エネルギーに変化する可能性をはらんでいる.これが孫崎さんの言う「日本はこわい国になった」の奥に見える「こわい」ものの正体のように思う.

 現在,多くの人々,特に女性の政治意識が変化をして来ている.この中,4月24日に行われる北海道5区と京都3区の「衆院補選」,7月に行われる「参議院議員選挙」で「野党共闘」が多数の議席を得れば,人々の意識の中にあるこの「三猿」意識抑圧も,自由と民主主義の「見る,聞く,言う」に少しなりとも傾斜変化すると思われ,また期待をしたい.間近に迫っている選挙で「野党共闘」が多数を得て,自民・公明のアベ政治を終わらせる事が,この日本を再び幸せな国に再構築する一歩となるだろう.(2016年4月22日)

No.5 97ヶ月前

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