松井久子監督の代表作は、私は『レオニー』だと思う。彫刻家イサム・ノグチを育てた母レオニー・ギルモアの物語。

「レオニー・ギルモアは、野口米次郎と出会う。レオニーはヨネを愛し妊娠するが、ヨネは一方的に日本へ帰国し、彼女を置き去りにしてしまう。残されたレオニーは人目を避け、未婚のまま混血の男の子をカリフォルニアで出産(この当時、米国の多くの州で、白人女性が有色人種との結婚は禁じられていた)。子供の将来を想うレオニーは、ヨネからの誘いもあり、母の反対を押し切って日本行きを決意する。明治後期の東京に2人を出迎えたヨネは、息子を「イサム」と名付け、人種差別が激化する困難な時代を生き抜いていく。そんな中、ヨネに正式な日本人の妻がいることを知り、母の死を知らせる手紙も届き、異国での生活はますます過酷で孤独なものとなっていた。レオニーのお腹には新たな命が宿り、女の子を無事に出産したレオニーは「ア