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【第249号】おれの妄想版『アナと雪の女王』

2019/11/27 07:00 投稿

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マクガイヤーチャンネル 第249号 2019/11/27
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おはようございます。マクガイヤーです。

前回の放送「引退間近! 本当はスゴイ獣神サンダー・ライガー~新日本プロレスJr.ヘビー級の歴史~」は如何だったでしょうか?

パワポ製作含めて那瀬さんにお任せした回だったのですが、プロレス弱者の自分にもライガーの偉大さがよく分かる回となりました。ゲストでお呼びした景山Q一郎さんやナオトさんにも大活躍して頂き、大変盛り上がった回になったと思います。

番組では濁してしまいましたが、来年の1・4はライガーの有終の美を見届けるために東京ドームにプロレス観戦しにゆくことになりました。楽しみだなあ。




マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



○12月1日(日)19時~「『アナと雪の女王』とディズニープリンセスの自立」

11月22日に『アナと雪の女王2』が公開されます。2013年に大ヒットした『アナと雪の女王』の続編です。

続編を作らないと思われてきたウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオですが、本作は『アナと雪の女王』の全うな続編といわれています。同じく続編だった『シュガー・ラッシュ:オンライン』がファンに奉仕するよりも時代と作り手のテーマを反映した力作だったこと、大ヒットした『アナと雪の女王』が、実はすっきりした話ではなかったことなどを考えると、わざわざ『2』と銘打つ本作が、安易な続編でないことは想像に難くないです。

そこで、前作『アナと雪の女王』と『2』を解説するニコ生を行います。おそらく二本で一つの作品として語ることになると思います。ご期待下さい。

ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。



○12月22日(日)19時~「Dr.マクガイヤーのオタ忘年会スターウォーズ2019」

例年お楽しみ頂いている「オタ忘年会」。

2019年に語り残したオタク的トピックスやアイテムについて独断と偏見で語りまくる予定ですが、今年はほとんどの時間を割いて、サーガの完結作となるEPIXが公開される『スター・ウォーズ』について語ることになると思います。

ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。


ちなみに過去の忘年会動画はこちらになります。

2018年

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年



○1月6日(月)19時~「「ジャンプヒーローとアメコミヒーローのあいだ」としての『僕のヒーローアカデミア』」(いつもと曜日が異なっております。ご注意下さい)

12月20日より映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』が公開されます。漫画『僕のヒーローアカデミア』のアニメ版にして劇場版です。原作漫画・アニメ共に高い人気を誇っており、日本は勿論のこと、アメコミの影響を受けつつ、アメリカでも大人気という、いまのジャンプを代表する漫画の一つです。オリジナルストーリーでありながら、昨年の映画版も驚くほどの面白さでした。

そこで、アメコミとジャンプ漫画双方の視点から解説するような放送を行ないたいと思います。 ゲストとしてアメコミ翻訳家の御代しおりさん(https://twitter.com/watagashiori)をお迎えしてお送り致します。



○1月20日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2020年1月号」(いつもと曜日が異なっております。ご注意下さい)

詳細未定。

いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



○藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本の通販しています

当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

https://macgyer.base.shop/items/19751109



○『やれたかも委員会』に取材協力しました。

『やれたかも委員会』(https://note.mu/yoshidatakashi3/n/na63c34ee5adc)の「童貞からの長い手紙」に取材協力しました。単行本1巻分のエピソードになるそうです。

ちなみに基になったお話はこちら

https://ch.nicovideo.jp/macgyer/blomaga/ar1011063





さて、今回のブロマガですが、次の日曜日のニコ生で『アナと雪の女王2』公開に合わせたニコ生をやるにあたって、前作『アナと雪の女王』についておさらいさせて下さい。


●ミュージカル映画としての『アナと雪の女王』

『アナと雪の女王』は大ヒットした映画です。その面白さの大部分はこれまた大ヒットした「レット・イット・ゴー」をはじめとする楽曲の良さにあると思うのですが、お話も面白いです。その理由は、大きく分けて二つあると思います。


一つは、ミュージカル映画やディズニー映画、プリンセス映画といったもののお約束を、大きく裏切る異形の物語です。

たとえば、ハリウッド製のミュージカル映画では「歌に乗せて唄われる歌詞は本心」というお約束――というか思い込みがあります。

『ウエスト・サイド物語』で唄われる恋や家族の素晴らしさは全て登場人物の偽り無き心情ですし、『ドリームガールズ』のジェイミー・フォックスが主人公を歌で口説く時、本気で主人公を愛しているからこそ口説いています。たとえ後半に主人公を裏切る展開があろうとも、歌に乗せられた歌詞はその時の嘘偽りなき感情を表しているのです。

それが、『アナ雪』では違います。

『アナ雪』に出てくる異国の王子ハンスは、いかにもディズニー的に擬人化された馬に乗り、アナと楽しそうに恋の歌「とびら開けて(Love Is an Open Door)」を歌います。「今まで出会ったことなかった、こんなに自分と気があう人!」という歌詞は、普通のミュージカル映画ならキャラクターの本心を表している筈です。だからハンスは、一見この物語における「理想の男性」のように思えるのです、この時点では。

だからそんなハンスが終盤とる行動に大いに戸惑ってしまいます。「あの時、アナと一緒に楽しそうに歌っていたのは嘘なの?」と思ってしまい、ミュージカル映画なのに、歌をすんなりとは信じられなくなってしまうのです。

これはちょっと凄いことではないでしょうか。


……ということをインド映画好きの友人に話したら、「インド映画じゃ悪人も楽しそうに嘘を唄う」のだそうです。確かに『ロボット』でも悪のロボットがヒロインを歌で誘惑していました。それまで優しくしてくれていた彼氏はいきなりDVを奮い、何者も信じられず、一秒先には何が起こるか分からないグローバル経済な21世紀においては、ミュージカル映画の歌すら疑ってかかる必要があるということなのでしょうか。


他にも、もう一人の王子役であるクリストフの愛が物語の解決に寄与しないとか、(どちらの)王子役も出自や性格が王子らしくないとかいったお約束破りがありますが、これは『塔の上のラプンツェル』『プリンセスと魔法のキス』でも共通していた。『アナ雪』はプリンセスものとしては異質な『シュガー・ラッシュ』を通過することで初めて作ることができた21世紀のプリンセスものなのかもしれません。



●ひきこもりヒーロー映画としての『アナと雪の女王』

もう一つ。近年、映画というジャンルでは新しい形のビルドゥングス・ロマンが確立しつつあるのではないかと思います。

何者でも無かった若者が田舎や故郷を抜け出し、キツい戦争やらキツい職場環境やらといった様々な困難を切りぬけ、メンターやらマイスターやら気になる異性やらといった様々な人に出会い、大人の男へと成長していく物語――これが旧来のビルドゥングス・ロマンの典型例でした。

ですが、最近の新しいビルドゥングス・ロマンではちょっと違います。まず主人公は素朴なカッペではなく、ひきこもりのように自分に自身の無い青年、もしくは同じく自身の無いおっさん・おばさんです。

そんな彼・彼女はいい年こいて童貞・処女で、性的生活の問題以上に大きな内面的問題を抱えていますが、突然、魔法のような超能力を手にする。これをきっかけとして、安全な居場所を抜け出て、「家族」の問題に立ち向かったり、「社会」に参加したり挑戦したりします。魅力的な異性が登場し、大金を稼いだりもしますが、恋愛やセックスや資本主義的成功は「成長」の助けになりこそすれ、主人公が抱える内面的問題を根本的に解決しません。同性の友人が主人公を助け、しっかり助けになったり、ならかったりします……

この「魔法のような超能力」は当人にとってのアイデンティティやユニーク&ウィークポイントを象徴しているわけですが、特に、スーパーヒーロー映画の多くにこの構造を見出すことができます。サム・ライミ版『スパイダーマン』『クロニクル』『マン・オブ・スティール』『アントマン』や、『ダークフェニックス』におけるジーン・グレイがこれに当て嵌るでしょう。特に旧『X-MEN』2、3作目におけるアイスマンやパイロは(能力含めて)そっくりです。


『アナと雪の女王』のエルザも『X-MEN2』のアイスマンことボビー・ドレイクも、家族関係に問題を抱えています。エルザもボビーもおそらく処女で童貞です。

それが、突然異能力に目覚めたり、それまでハンディキャップと感じていた異能力の新たな使い方に目覚めます。これがデイン・デハーンやエルザが「社会」と対峙したり、内面的問題に立ち向かうきっかけとなります。これに伴い、カッチョ良いコスチュームに身を包むことになります。しかし、恋愛や自己実現が成就することはありません……

こういった話の原型は『キャリー』だと思うのですが、1974年の執筆当時はホラーとしか見做されなかった話が、現代では一つのビルドゥングス・ロマンとして受け入れられるようになったのも、面白いところです。



●おれの妄想版『アナと雪の女王』

そういうわけで、『アナと雪の女王』はもの凄く良くできていて面白い映画だと思うのですが、一つだけ自分が気に入らないところがあります。別に、最後に「愛」が全てを解決するという展開に拘らなくても良いのではないかと思うのです。

前述した通り、『アナ雪』はクライマックスで問題を解決するのがディズニー映画、プリンセス映画に伝統的な「王子様の愛」ではないところに新規性があるのですが、その前段階、予告編でも使われた、城を飛び出したエルザ姐さんが独りで氷の城を作り上げて自分を知るシーンが素晴らしすぎるのです。

実際、映画のクライマックスに置かれた、「愛」を知って夏が戻るシーンよりも、氷の城を作るシーンの方が、素晴らしく興奮します。もっといえば、「愛」を知ってもエルザの「自分の居場所が無い」という問題は解決しませんが、魔法で何かを創ることで自分の居場所が作れる可能性はあります。映画の作り手たちは、「愛」は信じてないけどエルザの氷の魔法――氷でなんでも創れる魔法――が象徴する「クリエイション」は信じているのではないでしょうか。


じゃ、どんな展開になれば納得したのかというと、下記のような感じです。

 

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