おはようございます。マクガイヤーです。
ちょっと時間的に余裕が出てきたので『アウターワールド』や『デス・ストランディング』といった話題のゲームを買ってしまいました。どちらもまだ序盤しかプレイしていないのですが、どちらも面白くて堪りません。いやー、ずっと家に引き籠ってゲームしていたいなあ。
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
○11月24日(日)19時~「引退間近!本当はスゴイ獣神サンダー・ライガー~新日本プロレスJr.ヘビー級の歴史~」
獣神サンダー・ライガーが引退する2020年1月が刻々と迫ってきました。
近年はバラエティ番組でオモシロおじさんとして人気者の獣神サンダー・ライガーですが、54歳にして肉体を維持してリングに立ち続ける、本当にスゴイおじさんなんです! そしてオモシロおじさんとしての側面も、バラエティ番組を見ているだけの人には「そんなもんじゃない!」と伝えたい! これを見れば、きっとあなたも親しみを込めて“ライガーさん”と呼びたくなること間違いなしです! 一緒に来年の引退試合でライガーさんを応援しましょう。
ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)、現役医師で作家の景山Q一郎さん(https://twitter.com/q1projectq)をお迎えしてお送り致します。
○12月1日(日)19時~「『アナと雪の女王』とディズニープリンセスの自立」
11月22日に『アナと雪の女王2』が公開されます。2013年に大ヒットした『アナと雪の女王』の続編です。
続編を作らないと思われてきたウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオですが、本作は『アナと雪の女王』の全うな続編といわれています。同じく続編だった『シュガー・ラッシュ:オンライン』がファンに奉仕するよりも時代と作り手のテーマを反映した力作だったこと、大ヒットした『アナと雪の女王』が、実はすっきりした話ではなかったことなどを考えると、わざわざ『2』と銘打つ本作が、安易な続編でないことは想像に難くないです。
そこで、前作『アナと雪の女王』と『2』を解説するニコ生を行います。おそらく二本で一つの作品として語ることになると思います。ご期待下さい。
ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。
○12月22日(日)19時~「Dr.マクガイヤーのオタ忘年会スターウォーズ2019」
例年お楽しみ頂いている「オタ忘年会」。
2019年に語り残したオタク的トピックスやアイテムについて独断と偏見で語りまくる予定ですが、今年はほとんどの時間を割いて、サーガの完結作となるEPIXが公開される『スター・ウォーズ』について語ることになると思います。
ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。
ちなみに過去の忘年会動画はこちらになります。
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
○1月6日(月)19時~「「ジャンプヒーローとアメコミヒーローのあいだ」としての『僕のヒーローアカデミア』」
12月20日より映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』が公開されます。漫画『僕のヒーローアカデミア』のアニメ版にして劇場版です。原作漫画・アニメ共に高い人気を誇っており、日本は勿論のこと、アメコミの影響を受けつつ、アメリカでも大人気という、いまのジャンプを代表する漫画の一つです。オリジナルストーリーでありながら、昨年の映画版も驚くほどの面白さでした。
そこで、アメコミとジャンプ漫画双方の視点から解説するような放送を行ないたいと思います。 ゲストとしてアメコミ翻訳家の御代しおりさん(https://twitter.com/watagashiori)をお迎えしてお送り致します。
○藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本の通販しています
当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。
https://macgyer.base.shop/items/19751109
○『やれたかも委員会』に取材協力しました。
『やれたかも委員会』(https://note.mu/yoshidatakashi3/n/na63c34ee5adc)の「童貞からの長い手紙」に取材協力しました。単行本1巻分のエピソードになるそうです。
ちなみに基になったお話はこちら
https://ch.nicovideo.jp/macgyer/blomaga/ar1011063
さて、今回のブロマガですが、前回に引き続いて『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』公開に合わせて、スティーブン・キング映画に出てくるメガネ野郎について書かせて下さい。
●『ドリームキャッチャー』のビーバー
『スタンド・バイ・ミー』のような4人が、ふとしたきっかけで『シャイニング』の子供のように超能力を持つも、『IT』のように幸せでない大人になった時に、『ザ・スタンド』の病原菌のような能力を持ち、『トミーノッカーズ』のように人間を支配する宇宙人の侵略に鉢合わせる……そんなキングにとっての『ブラックジャック』のような作品が『ドリームキャッチャー』です(余談ですが『ダークタワー』はキングにとっての『火の鳥』のような作品だと思います)。
過去の作品の要素をこれだけ使いまわす……というか再演しつつ、「ミドルエイジクライシス」というテーマにしっかり絞り込んでいるのが面白いところで、主人公格のヘンリーは離婚と自殺願望、クリスに相当するジョーンジーは(キングも経験した)自動車事故、バーンに当たるピートは(太ってないのに)非モテと孤独、テディに当たるビーヴァーは貧乏独身駄目中年と、全員おっさんなりの問題を抱えています。
中でも、常につまようじをくわえているメガネのビーヴァーが明らかにおれたちの仲間という感じで最高です。テディやリッチーのように軽口を飛ばしまくるメガネ野郎なのですが、全員おっさんなせいか「またビーヴァーがなんか言ってやがるぜ(笑)」みたいな感じで軽く受け流されるのがまた良いのです。ジェイソン・リーは友人を思いやる優しいこころをメガネの奥底に収めているビーヴァーを好演しており、明らかに『IT/イット THE END』のビル・ヘイダーは演技の参考にしています。
全員駄目中年になった4人は1年に1回山小屋に集まり、傷を舐めあうかのように一緒に酒を飲んだりハンティングをしたりするのですが、日本でいうとおっさんになってから年に一回温泉で同窓会するようなものなのかもしれません。
ハンティングの最中に雪が降り、吹雪となると共に、『スタンド・バイ・ミー』のヒルのような宇宙人の侵略が本格化するのですが、ビーヴァーのメガネのレンズに雪の結晶が一片落ちるカットが転機となるさまが、さすが名匠ローレンス・カスダンといった感じです。
最大の見どころはトイレで宇宙人に襲われるシーンで、DVDの解説でキング本人がいうところの
・おっさんになると病気が笑えない問題になってくる
・消化器系のがんになるとトイレで気づく
・だからトイレで最大の恐怖に襲われるシーンを描いた
……というのは分かるのですが、便器の蓋を閉じて宇宙人を閉じ込めるも、くわえていた最後のつまようじを便器内に落としてしまい、蓋を開けようかどうか迷いに迷う――というシーンは、怖がるべきか笑ってしまうべきかとまどってしまうシーンです。
ですが、『IT/イット THE END』と同じくこのようにとまどってしまうシーンがあるということは、誰がなんといおうと名作ということですよ!
『ドリームキャッチャー』については過去に解説しましたので、興味のある方は是非ご覧ください。
●『シークレット ウインドウ』の主人公モート・レイニー
『IT』や『スタンド・バイ・ミー』のような「ノスタルジー」と「成長」をテーマにした作品以外に、自分の職業である「作家」をテーマにした作品群がキングにはあります。
『シャイニング』、『ミザリー』、『ダークハーフ』、『神々のワードプロセッサ』、『秘密の窓、秘密の庭』……といった作品群がそれで、「もし作家である自分がこんなことになったら」という話なののですが、売れない頃に書いた『シャイニング』以外は「自分の書いた作品が世の中に影響を与え、それが巡り巡って自分に舞い戻ってくる」、「(様々な意味で)もう一人の自分が出てくる」という共通点があるのは、人気作家であることと、その人気は偶然の産物であり他人ごとのように思っていることが所以なのかもしれません。
どの作品もキングの思いが満ちているせいか、あるいはキングにしか書けないであろうからか、他の作品にも増して面白く、映画化される率が高いです。
面白いのは、作家である主人公を演じる俳優が、それほどキングに似ていないところです。
ジェームズ・カーンの痩身がキングのパブリックイメージに若干似ているかなと思えるだけで、ジャック・ニコルソンもティモシー・ハットンもそれほど似ていません。キング自身が自作にカメオ出演することが多く、それだけに違和感があるのですが、あくまでも作家と作品は別との観点で似せないようにしているのかもしれません。
しかしそう考えると『秘密の窓、秘密の庭』の映画化である『シークレット ウインドウ』でジョニー・デップがメガネをかけているのは、デップなりにキングに似せようとした結果なのかもしれません。
当然、デップとキングは全く似ておらず、映画を観ている途中もこんなイケメンの作家いてたまるかという感じで、キングの作家テーマ作品では必ず出てくる(元)妻とのやりとりに全く感情移入できません。
ただ、クリエイターが自分を主人公とした作品で自己言及する際にお馴染みの(そして誰もが映像化したいと思うが効果はそれほどでもない)「ドッペルゲンゲル的な自分が何人も出てくる」シーンでは、なんだかキングっぽいなと感じてしまうのは、これまたお馴染みの「『シャイニング』のジャック・ニコルソン笑い」をしているからかもしれません(『ドリームキャッチャー』や『IT/イット THE END』にもありました)。そういえば三島の『荒野より』や北野武の『TAKESHIS'』のように、タナトスをテーマとする作家がドッペルゲンゲルに遭うというのはお約束なのかもしれません。
・「ノスタルジー」と「成長」
・「作家」と「作品」
というキング作品の中にある二つのテーマについて解説してきましたが、この2つのテーマが重なる時もあります。
ルーザーズクラブのリーダーといっていいビルなどがその好例でしょう。
大人になったビルは作家として成功し、映画の脚本家としても活躍しています。ですが、原作でもTV版でも映画版でもスランプに陥り、周囲の期待に応えたり、自分が理想とする作品を書くことができません。これは、人生において「売れっ子作家」として過ごしてきた期間が長いキングが、常に「売れなくなる恐怖」や「書けなくなる恐怖」を抱えていることの反映です。「オチがイマイチ」という世評に悩んでいるのは、常に最後までサプライズを求められるという、作家にとって嫌なことベスト5くらいに入るあれやこれやを反映してるのでしょう。オチだけじゃなく、そこに至るまでの過程を読んでくれよ、という。
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