おはようございます、マクガイヤーです。
『この世界の片隅に』の連続テレビドラマ化が発表されましたね。
実写ドラマ版『この世界の片隅に』といえば、栄養満点の北川景子がすずさんを、オリーブオイルでブレイクする前の速水もこみちが水原哲を演じていた2011年版が記憶に新しいです。
http://d.hatena.ne.jp/macgyer/20161218/1481988695
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
○3月24日(土)20時~
「最近のマクガイヤー 2018年3月号」
いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
・最近の大杉漣
・最近のアッキード事件
・最近のWiiウェアとバーチャルコンソール
その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
○4月14日(土)20時~
「最近のマクガイヤー 2018年4月号」
その他詳細未定ですが、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
○4月28日(土)20時~
「『レディ・プレイヤー1』と『ゲームウォーズ』とスピルバーグ」
4/20よりスピルバーグの新作映画『レディ・プレイヤー1』が公開されます。
本作はアーネスト・クラインが2011年に発表したオタクコンテンツのスーパーロボット大戦のようなSF小説『ゲームウォーズ』を原作としています。VR空間を舞台にデロリアンやビバップ号が疾走し、レオパルドンやボルトロンがバトルするさまに、そのスジの読者は狂喜したものでした。
そんな『ゲームウォーズ』が映画化される、それもスピルバーグの手によって! スピルバーグによる有名小説やコミックの映画化は、ガッカリする結果になることもままあるのですが、予告をみる限り誰もが納得する映画化のようです。また、スピルバーグが全作品に渡って追い求めてきたテーマ「大人になること」「Homeを求めること」も当然のように含まれているでしょう。
そこで、これまでのスピルバーグ作品を振り返ると共に、『レディ・プレイヤー1』とその原作『ゲームウォーズ』について解説するのニコ生放送をお送りします。
アシスタントとしてアメコミ翻訳家の御代しおりさん(https://twitter.com/watagashiori)を再度お招きする予定です。
○5月3日(木)20時~
「『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』はなにがインフィニティなのか」
4/27に期待の新作映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が公開されます。
究極のお祭り映画にしてイベント・ムービーである本作を観ない人なんていないと思いますが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)シリーズもこれで19作品目、ここからMCUに入るのに躊躇している人もいるかもしれません。
そこで、これまでのマーベル映画作品を振りかえると共に、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を100倍楽しめるような放送をお送りします。
ゲストとしてアメコミ翻訳家の御代しおりさん(https://twitter.com/watagashiori)を再度お招きする予定です。
○5月後半(日程未定)20時~
「最近のマクガイヤー 2018年5月号」
いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
詳細未定
○6月初頭(日程未定)20時~
「石ノ森ヒーローとしての『仮面ライダーアマゾンズ』」
『仮面ライダーアマゾンズ』はシーズン1、2がAmazonプライム・ビデオで独占配信されている特撮シリーズです。
いわゆる平成ライダー1期のスタッフが『アギト』でも『ファイズ』でも『カブト』でもやれなかった仮面ライダー、あるいは石ノ森ヒーローとしての限界描写を突き詰めたような内容で、自分はおおいに楽しみました。
そんな『アマゾンズ』がこの春『仮面ライダーアマゾンズ完結編(仮)』として、劇場公開されるそうです。それも、これまで意欲作(と自分には思える)春のスーパーヒーロー大戦映画枠を廃止してまで公開する劇場版です。未だ詳細な公開日が発表されていないことが気になりますが、大いに期待しています。
そこで、これまでの『仮面ライダーアマゾンズ』を振り返ると共に、あるいは石ノ森ヒーローとしての『アマゾンズ』に迫りつつ、劇場版を予想するニコ生放送をお送りします。
今度のシロタロスは裏切らないぜ!
(公開日決定に合わせて放送日を変更しました)
○Facebookにてグループを作っています。
観覧をご希望の際はこちらに参加をお願いします。
https://www.facebook.com/groups/1719467311709301
(Facebookでの活動履歴が少ない場合は参加を認証しない場合があります)
○コミケで頒布した『大長編ドラえもん』解説本ですが、↓で通販しております。ご利用下さい。
https://yamadareiji.thebase.in/items/9429081
さて、今回のブロマガですが、161回に引き続いて藤子不二雄Ⓐについて書かせて下さい。
前回、すっかり書き忘れていたのですが、『シルバークロス』にはリメイク作品があります。
それが『銀十字』です。
現在、「QQQ編」と「カリギュラ編」2冊の単行本が電子書籍で発売されています。著者はイラストレーターとしても活躍する真心一芭です。
悪の秘密結社QQQ団や、それと戦う国際秘密機関である十字警察という設定は同じなのですが、
主人公シルバークロスは銀髪少年にして白兵戦の無敵戦士ケンに、
兄貴分ブラッククロスは天才メカニックにしてダルそうな顎ヒゲおっさんビックスに、
獅子神医師と医院の看護婦は衛生兵兼様々な薬物を武器として使うエージェントに、
……と、いま風にリメイク、というかリ・イマジネーションされています。ジークフリードもマブゼ博士もドックも驚くべき形で登場します。インスパイア作品と呼んだ方が良いかもしれません。
ちなみに全員強化人間(サイボーグ)で、寿命と引き換えに身体を強化しているという、『メタルギア』を思わせる設定が実に少年漫画という感じです。
著者はキャラクターデザイナーとしても活躍しているらしく、ビッグ5やホワイトスネークのデザインも最高です。
男性や悪役は格好良く、女性や子供は可愛さを通り越した愛嬌さえ感じる絵に魅力があるのは勿論ですが、21世紀におけるSFアクション漫画として構成しなおしたお話も面白いです。ここまで描けるのなら『シルバークロス』のリメイクという冠は要らなかったのかもしれませんが、どうしてもやりたかったのでしょう。
こういう漫画は電子書籍ではなく実際に紙として読みたいところですが、1巻はカラー、2巻はモノクロという変則的な色数変更が、紙の本で出す場合に難しかったのかもしれません。だんだん「漫画」の描き方が上手くなっていって、1巻では読み難いコマ割りが2巻では解消されていくのも読みどころです。
●原型としての『わが名はXくん』
初期の藤子不二雄Ⓐを語る上で、『シルバークロス』と共に外せないのが1958年から連載された『わが名はXくん』です。
内容は、気が弱くてクラス一番のいじめられっ子江野木 楠夫(えのき くすお)が宇宙人からもらった赤いマスクでもの凄い力を発揮するスーパーヒーローに変身するというものです。マスクを被っているので、当然ながら友人たちはXくんの正体が楠夫くんであるということに気づきません。
本作は藤子・F・不二雄作品である『パーマン』の発想の基になったという点で有名です。
普段はさえない小学生がスーパーヒーローになること以外に、Xくんが被っているマスクは初期パーマンが被っていたそれによく似ているという共通点があります。
重要なのは、相違点です。
『パーマン』は、連載が進むうちに小学校の友人であるカバ夫やサブやミチ子の出番は減っていき、怪盗千面相や魔土災炎といったヴィランとの対決や、パーマン同士の間でのお話が描かれるようになりました。ヒロインはミチ子からパー子に移り、遂には赤ん坊であるパーマン5号ことパー坊が登場し、パーマンから成る擬似家族の中でのドラマが描かれるようになったのです。つまり、日常での世界のドラマから、Fが想像するSFや冒険小説の世界――スコシフシギな世界でのお話がメインとなったのです。
一方で、Ⓐが描く漫画はあくまでも日常がメインとなります。さえないを通り越して、陰湿的にいじめられた主人公が変身し、見返してやることでくやしさを解消するというテーマがこの後の『魔太郎がくる!!』や『黒ィせぇるすまん』やブラックユーモア短編作品で何度も描かれることとなります。
『わが名はXくん』は1958年に「幼年クラブ」に三ヶ月ほど連載されました。幼年クラブの休刊に伴って連載は終了しますが、翌1959年に「たのしい四年生」で改めて連載が始まり、好評につき翌年に「たのしい五年生」、翌々年に「たのしい六年生」へと連載が引き継がれました。1965年には「毎日小学生新聞」にて『マスクのXくん』というタイトルで一年ほど連載されました。僅か数年の間に二度リメイクしているわけです。当時のⒶにとって、それほど思い入れのある作品だったのでしょう。
この『わが名はXくん』、これまで一度も単行本化されなかったので、読むのが困難な状況にありました。『愛…しりそめし頃に…』の作品内漫画としてわずか数ページ読むことができたのみです。
……が、なんと今年の4月に初の単行本化がなされるそうです!
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-06-221058-4&Sza_id=MM
未だに信じられません。
その後、1964年に『オバケのQ太郎』が発表され、翌年のアニメ化をきっかけに大ヒット作品となります。『オバケのQ太郎』がFとⒶ(とスタジオ・ゼロのメンバーである石ノ森章太郎ら)の共作であることは有名ですが、『マスクのXくん』と『パーマン』の比較からみられるその後のFとⒶの違いを念頭に置くと、また違った見方ができます。
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