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「万古千秋」

2015/09/30 07:00 投稿

コメント:14

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  • 自分の人生がある場所へ

 さわやか過ぎる秋晴れだった。
 ベランダに出ると、青空がいつの間にか高くなっていた。ふいにどこか気持ちの良い場所で秋の空気を吸いたくなり、仕事を中断して走り始めた。
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 海は台風の影響で荒れ始めていた。強い陽射しの下でサーファーが波と戯れていた。ここも悪くないけれど、この眩しさは今の気持ちとは少し違うような気がした。

 そう、時に風景はうまく言葉にできない気持ちを鏡のように映し出してくれる。僕は自分がこの秋風の中に、今の心に近い風景を探しに出てきたのだと気づいた。そして、記憶の中にあった「ある風景」を思い出すと、海に背を向け、山へ向かって走り始めた。

 

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コメント

小原信治 小原信治
(著者)

>>8
「万古千秋」。永遠に、とか、過去から未来までずっと、みたいな意味なんですよね。好きな言葉です。「秋が千回」と春夏秋冬の中でも千回来る季節に、あえて「秋」を選んだところが。

No.13 111ヶ月前

小原さんの そうそう乙女チックな所が好きですね♪ホントに自分の人生も秋にというか限りなく冬に近いかも…になってくると、しみじみ秋って染み入りますね。素敵な言葉を覚えておきます。

No.14 111ヶ月前

「本当に良かった」
まさにその言葉通りです。
私も来年、再来年と毎年 秋晴れの金木犀が香る頃になったら、ちょっと寂しい様な…でもジワっと湧き上がってくるあったかい幸せな気持ちを想い出すはずです。

No.15 111ヶ月前
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