ランニングを始めたのは九歳の冬だっだ。体が弱い自分を変えたくて、寒い朝、ジャージの首元にタオルを巻いて団地の周回を走り始めた。十五分から二十分ぐらいのコースだったと思う。朝靄で先が見えなかったり、野犬に追い掛けられたり、孤独に耐えながら路上を走ることで身心ともに強くなれたんじゃないだろうか。

「走ることは整えること、そして自分で自分を救うこと」
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