【久野潤チャンネル】では先週から、
「近代を作った群像」と題したシリーズでお送りしています。
第一弾〈長州藩〉では、最近はやりの幕末陰謀論の問題点を指摘しながら、
前史を踏まえて長州藩の動向や志士達の奮闘をお伝えしました。
「通説通りでおもしろくない」と思われた部分もあったかもしれませんが、
戦後しばらく学界主流では「明治維新は封建制度を残した」
「中国・朝鮮に対する侵略を開始するきっかけになった」
といった散々な評価がまかり通っていたことも忘れてはいけません。
そして、そのワルの主役が長州藩・薩摩藩といった位置づけでした。
「そんなバカな」と思った方は、たとえば丸山真男『尊攘思想と絶対主義』、
あるいは遠山茂樹『明治維新』(共に東大の先生)あたりでも読んでみて下さい。
私がしばしば「戦前はこういう風に言われてましたよ」と取り上げるのも、
別に戦前が何でもかんでも正しかったって思っているわけではなくて、
そうした特定イデオロギーの影響を受けた
“エリート”たちの思想が蔓延・再生産されて
あたかも「通説」であるべきであるような状況が
作り出されてきたことを踏まえてのものです。
「戦前だって特定イデオロギーでコリ固まってたじゃないかー」
という反論が聞こえてきそうですが、戦前は結果として、
たとえば王政復古時に幕府方に味方した人物たちに対する
国を挙げての名誉回復の時代でもありました。
一方で、戦後の日本で新たに形成された
「日本は侵略戦争をした」「南京大虐殺をやった」
「国家・軍隊として慰安婦を強制連行した」――
長らく教科書に書かれ続けて定式化してしまったこと
についての名誉回復は、公に行われているでしょうか?
比較の問題ではありますが、よりスナオに過去を振り返り、
それなりに反省も行われた戦前日本での歴史観を再評価したいところです。
それ抜きに幕末以降の国史も語れないでしょう。
今週の【久野潤チャンネル】は
「近代を作った群像」第二弾の薩摩編です、ぜひご覧下さい♪
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