★クマムシ研究日誌「5万人の中でオレ1人だけ」
クマムシの研究を始めようと決めたものの、どんな研究テーマにすればいいのか、皆目見当もつかなかった。とりあえずやらなければいけないことは、クマムシについての基本知識をためることと、クマムシの採集の仕方を知ることことだった。
当時、クマムシについて日本語で書かれた本はなかったが、英語で書かれた本が一冊だけ出版されていた。1994年に出版された、The Biology ofTardigradesという本だ。この本は、Kinchinさんというイギリス人によって書かれている。
The Biology of Tardigrades
Kinchinさんは現在、イギリスで高校教諭をしているらしい。彼は本職の研究者ではないが、クマムシの生態学や分類学に関する論文をいくつか出版しており、クマムシの専門家と言っていいだろう。
この本はコンパクトであるものの、クマムシの分類や形態から生理まで幅広く解説してあり、入門書としてはなかなかの優れモノである。コンパクトな本とはいえ、それまで英語の本など読んだことのなかった私には1章分、10ページそこそこを読むのも一苦労だった。
1ページの中に知らない単語が10個以上あったりして、未知の単語に遭遇するたびにその意味を辞書で調べて読んでいったのだが、単語の意味を調べてから本文に戻ると文章の流れを忘れており、もう一度読み直して意味を把握する、というようなことを繰り返していた。
もっとも、理系の大学院に進学するような人間は、日頃から英語で書かれた論文を読まなくてはならないので、これは当然私も乗り越えなくてはならないハードルである。
その後、大学院に進学して実際に多くの英語論文を読まなければならなかったが、不思議なもので、英語論文は数多く読んでいくうちに、自然と普通に読めるようになっていった。
クマムシの研究を始めようと決めたものの、どんな研究テーマにすればいいのか、皆目見当もつかなかった。とりあえずやらなければいけないことは、クマムシについての基本知識をためることと、クマムシの採集の仕方を知ることことだった。
当時、クマムシについて日本語で書かれた本はなかったが、英語で書かれた本が一冊だけ出版されていた。1994年に出版された、The Biology ofTardigradesという本だ。この本は、Kinchinさんというイギリス人によって書かれている。
The Biology of Tardigrades
Kinchinさんは現在、イギリスで高校教諭をしているらしい。彼は本職の研究者ではないが、クマムシの生態学や分類学に関する論文をいくつか出版しており、クマムシの専門家と言っていいだろう。
この本はコンパクトであるものの、クマムシの分類や形態から生理まで幅広く解説してあり、入門書としてはなかなかの優れモノである。コンパクトな本とはいえ、それまで英語の本など読んだことのなかった私には1章分、10ページそこそこを読むのも一苦労だった。
1ページの中に知らない単語が10個以上あったりして、未知の単語に遭遇するたびにその意味を辞書で調べて読んでいったのだが、単語の意味を調べてから本文に戻ると文章の流れを忘れており、もう一度読み直して意味を把握する、というようなことを繰り返していた。
もっとも、理系の大学院に進学するような人間は、日頃から英語で書かれた論文を読まなくてはならないので、これは当然私も乗り越えなくてはならないハードルである。
その後、大学院に進学して実際に多くの英語論文を読まなければならなかったが、不思議なもので、英語論文は数多く読んでいくうちに、自然と普通に読めるようになっていった。
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