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本編よりも恐ろしいかもしれないホラー映画の事実9選

2016/02/22 21:30 投稿

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超怖いホラー映画の知られざる事実10


ホラー映画は超低予算でも、アイデア次第で名作を生み出せる面白いジャンルです。だからこそ脚本家や監督のセンス、プロップ係の幅広い知識と経験と知恵と飽くなき探究心が問われます。そのため、名作ホラー映画の舞台裏には興味深いネタがたくさんあるのです。


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そこで今回は、ScreenRantがまとめたホラー映画のネタ、小道具苦労話や命の危険を伴う撮影話といった、ある意味本編よりも怖いホラー映画の知られざる事実をご紹介します。

各作品のネタバレが一部ありますので、ご注意ください。


■『ポルターガイスト』(1982年)


80年代は非常に自由で、テレビでも映画でも今より過激な内容がゴールデンタイムに放送されていました。

そんな80年代に製作された本作。ピエロの人形も非常に印象的ですが、なんと小道具に本物の骨が使われていたそうです。理由は、プラスチック製の小道具を買うよりも安かったから

ジョベス・ウィリアムズが雨の中で人骨とともに泥に沈むシーンがありますが、あの人骨は本物です。『ポルターガイスト』の撮影現場は呪われていた......という話がありますが、この本物の骨が呪い話に真実味を持たせていたとも言われています。

しかし、ウィリアムズの心配は骨の呪いなどではありませんでした。彼女が本物の骨よりも恐れていたのが感電。嵐の中のプールの撮影で、多くの電気製品が使われており、それがいつどの瞬間にプールの中に落ちてウィリアムズを感電させてもおかしくない状況だったのです。

不安がるウィリアムズを見て、プロデューサーのスティーブン・スピルバーグが自らプールの中に入り、「もしライトが落ちてきたら僕も一緒に死ぬのだから」と彼女をなだめたと言われています。


■『ソウ2』(2005年)


被害者を痛めつけるトラップが目を覆いたくなるほどグロいのが売りの1つの『ソウ』シリーズ。1作目を監督したジェームズ・ワン監督に変わり、『ソウ2』はダーレン・リン・バウズマン監督がメガホンを取り、その残酷描写はより過激になりました。

そんな『2』では大量の注射器の中へアマンダ・ヤング役の女優ショウニー・スミスが落ち、針で全身を刺されながらも注射器のプールの中で目的のものを探すというシーンが登場します。

このシーンの撮影のために、小道具係は6万本の本物の注射器を発注4日間かけて本物の針をソフトファイバーに差し変え、使用済みに見えるようにペイントしています。数本はスミスのシャツに刺さって見えるようにくっつけたそうです。

しかし、シーンを再現するには6万本では足りないことが判明し、新たに6万本を追加で発注したのだとか。


■『ハロウィン』(1978年)


姉を殺した後、当時6歳だったマイケル・マイヤーズは責任能力がない異常者として精神病院に入院するものの、15年後に突然脱走。殺戮を繰り返し、街を恐怖に陥れるようになります。

異常なまでに親族に執着する殺人鬼マイケル・マイヤーズを象徴するアイテムと言えば、何と言ってもそのマスクでしょう。

このマスクを作る段階で、プロダクションのクルーは何人かのエキスパートに話を持ち掛けましたが、予算があまりにも低すぎたため門前払いを食らってしまいました。

そこで、1ドルで売られていた『スター・トレック』のジェームズ・カーク船長のマスクに手を加え、あの不気味なマスクが完成したのです。マスクの効果は絶大で、続編でも使い続けられました


■『キャリー』(1976年)


厳格な母親に育てられ、友達もいない少女が学校で執拗なイジメにあう本作。

いじめられていた少女がプロムでクイーンに仕立てられ、舞台の上で表彰されるというときに上からバケツに入った豚の血が降ってきて、真っ赤に染まる――というクライマックスは非常に印象的です(フー・ファイターズがオマージュを捧げたことも)。

このシーンは、撮影に2週間がかかり、35回の撮り直しを経て完成しました。シシー・スペイセクは本物の血をかぶらせてほしいと主張していましたが、クルーは彼女の意に反してシロップと食紅を使用。

そのため、ライトの熱でベトベトになってしまい、大変だったそうです。しかし、スペイセクはそのような状況を苦にせず、続きのシーンの撮影のためにとシロップまみれの服で3日も過ごしたとのこと。


■『スキャナーズ』(1981年)


人々の心を読むだけでなく行動や身体機能をコントロールできる超能力者たちの戦いを描いた本作には、有名な頭部爆発シーンが登場します。

このシーンはゼラチンの層で固めたダミーの頭部にラテックスや蝋、食べ残しのバーガーといった残飯をつめ、それを後頭部の辺りからショットガンで打ち抜いて実現。

詳しくは「映画史に残る衝撃シーン『スキャナーズ』頭部大爆発の裏側」をご覧ください。


■『ホステル』(2005年)


下心ありありでスロバキアにやってきたバックパッカーが襲われる、拷問映画。本作には『死霊のえじき』や『ウォーキング・デッド』シリーズで知られる、特殊メイク・アーティストのグレゴリー・ニコテロが参加しています。

彼の技術があますところなく発揮されている本作ですが、特に、日本人観光客が眼球をつまみ出された上にバーナーで焼かれるシーンでは、実に150ガロンの血糊が投入したほど力が入っていたようです。

彼の作り上げたゴアは観客に強い不快感を与え、中には意識を失った人や嘔吐した人、鑑賞中に映画館で心臓発作を起こした人がいたと伝えられています。

しかし、この映画の最も恐ろしい事実は、実話をもとに構成されたストーリーだということでしょう。

イーライ・ロス監督はネットサーフィンの最中に、とあるタイのウェブサイトにたどり着きました。それは、大金を出せば人を殺せる「殺人旅行」を売りにしているサイトだったのです。殺される人は貧困や病気が理由で、自分の命と引き換えに家族に金を残したいと考えていると書かれていたとのこと。

監督は真偽を確かめることはなかったようですが、「誰かが時間をかけてウェブサイトを作ったことは事実だ」と話しています。殺害方法は拷問ではなく、用意された部屋に入り、死を望む人の頭部にめがけて銃弾を撃ちこむだけ。

単なる暇つぶしで作ったウェブサイトであってほしいと願うばかりです。


■『鳥』(1963年)


※動物虐待描写注意

アルフレッド・ヒッチコック監督といえばサスペンスの帝王。中でも突如として鳥が人間を攻撃し始める本作は、その不気味さが人気を呼び、後のアニマルパニック映画の量産につながりました

そんな『鳥』は1963年に製作された映画のため、今と違ってVFXが発達していたわけではありません。合成も使われてはいるものの、そのほとんどが本物の鳥を使って撮影されています。

タカやカモメ、オウムといった鳥の調教は比較的簡単でしたが、カラスには手を焼いたそうです。しかし他の鳥も簡単とはいえ工夫は必要で、鳥たちが地面にいなくてはならない時には、麦とウィスキーを混ぜたものを餌として与えていたと俳優のロッド・テイラーが明かしています。

また、ラストでは女優のティッピ・ヘドレンが鳥の群れに攻撃されますが、このシーンはナイロンでできた糸で縛られた鳥がヘドレンの衣服につながれた状態で撮影されたとのこと。撮影は7日間に渡り、あまりにも過酷だったため、終了後は休暇が与えられたそうです。


■『フッテージ』(2012年)


犯罪現場であることを家族に黙って引っ越した家で、5本のフィルムを発見したスランプ中のノンフィクション作家。映像を見てみると、それはスナッフフィルムで、最も新しいフィルムはその家の庭で撮られたものだった――といった内容のホラー。

発見されたフィルムの中に「プールパーティー」と題されたものがありますが、脚本家のC・ロバート・カーギルによると、この映像は非常に撮影が困難で危険を伴うものだったのだそうです。

というのも、スタントマンたちは、椅子に縛られた状態で身動きが取れないまま実際に次々と水に沈められ、あと少し遅ければとんでもない事態になっていた人もいたと言います。

また、プールの底に怪人ミスター・ブギーの姿が見えますが、あれは演じていたニック・キングに重石をつけ、側にダイバーを配置させて撮影したのだそうです。


■『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年)


じょじょにカラー映画へ移行していた1968年に公開された、ジョージ・ロメロ監督の傑作であり、元祖ゾンビ映画である本作は、モノクロの恩恵を多大に受けた作品と言えるかもしれません。

今でも食べ物がグロやゴアの小道具に使われることは珍しくありませんが、カラーが一般的な上に画質が大幅に向上しており、普通の刺激では満足できなくなってきているホラー視聴者を喜ばせるためには、多くの工夫と努力が必要になります

『ナイト~』も食べ物がグロ小道具として使用されていますが、モノクロのため、ゴアの鍵となる血はおいしい、甘~いもので再現されているのです。

その正体はチョコレートソース。あの猟奇的なシーンの数々はハム製の人間の肢をチョコレートソースで覆ったもので作られています。

カレン・クーパー役のカイラ・ショーンが園芸用品で母親をめった刺しにする有名なシーンでは、ショーンがコテでまくらを繰り返し刺し、カメラの外でクルーが壁に向かってチョコレートソースを投げつけて撮影し、音声はポストプロダクションの段階で当てたそうです。


ソース:ScreenRant、YouTube

中川真知子

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