戦争ゲームと言えば、兵士となって敵兵を撃ち倒していくものがほとんどですが、今回ご紹介する『Sunset』は一味も二味も違います。プレイヤーは家政婦となり、どうやら革命に関わっているらしい裕福な独身男性の家を綺麗にするゲーム。
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...そして、操作する家政婦もどうやら革命に関わりたいと思っているようです。
開発はベルギーのTale of Tales。おばあさんが墓場をウロウロする『The Graveyard』、赤ずきんちゃんの話をモチーフに雰囲気たっぷりに描いた森徘徊ゲーム『The Path』、『サイレントヒル』のCGデザイナー佐藤隆善さんがキャラクターデザインした「サロメ」のゲーム『Fatale』など、斬新かつアート的な作品を出している会社です。
早速『SUNSET』がどんなゲームなのか、米Kotakuヘルナンデス記者のプレビュービルド体験記を読んでみましょう。
プレイヤーが操作するのは、家政婦のアンジェラ・バーンズ。ゲームを始めて最初に目にするのが彼女です。
プレイヤーは家政婦のアンジェラを操作
毎日あなたのボスであるガブリエル・オルテガがあなたに命じたタスクをこなしていきます。とてもシンプルで、バカバカしいくらいのタスクです。「家政婦」というのは、その場所を探索するための言い訳のように感じられます。
大豪邸
この贅沢さ、どうやら持ち主は大金持ち。しかし、このアパートの美しさはアートデザインにもあります。
タスクをこなすためにただ掃除することもできますが、詮索するリスクを冒すと物語が見えてきます。雇い主が紛争に関わっているのは明らか。少なくとも、機密書類や戦略的な場所が記された地図が見つかります。
これは一体どういうことなのか? プレイヤーが関与できない部分がこのゲームの魅力です。全ては家政婦の企て。
しかし、あからさまにわかるという訳ではありません。たいていは背景に存在し、注意していないと見逃してしまうこともあります。ラジオをつけると、なぜ背景に撃ちあう音が聞こえるのかについて語られる、スペイン語の声が聞こえます。これはいい演出ですが、多くのプレイヤーは理解できないかもしれません。
まずこのゲームが受ける印象は、プレイヤーは聖域にいる、なにも悪いことは起こりえない、といった感覚。しかし、それは間違いです。
プレイヤーは紛争地域の真ん中にあるアパートで働く家政婦なわけですが、危険な部分は全て無視して、暖炉の側にぼーっと座っている事もできます。音楽を流して、アパートのアートを満喫してください。リラックスしてね。
リラックスに最適そうな空間
しかし、それは所詮見せかけ。家政婦が銃を持って街中を走るわけではありませんが、戦争は確かに起きています。
プレビュービルドの中で一度、遠くで巨大な爆発があり、自分が安全かどうか考えてしまいました。それでも自分にできるのは、地平線に見える煙を見つめることくらい。自分の弱さを認識する瞬間です。
火柱が上がる
ボスを目にすることはプレビュービルドではないようですが、彼はアパートの中にメモを残します。探索に夢中でタスクをこなすことを忘れると、メモで家政婦を非難することも...。
しかし、家政婦との交流を望んでいるかのような、遊び心のあるメモもあります。なお、メモは無視することも、返信することも可能です。オプションは、中立的な返信をするか、それとも気があるような返信をするかの2つ。
その度に別の選択を選んでも、ボスはどうやら物分かりがいいようです。彼の残すメモは時たま変な意味で個人的にもなります。タスクリストの最後に「もし君が僕の頭の中も綺麗にしてくれたら」なんて書いてあることも...。
ボスとの唯一のコミュニケーション手段であるメモ
ロマンスの可能性のある素晴らしいアパートの用意された『Sunset』の中で、プレイヤーが本当に直面しているものを忘れるのは容易です。
灰が降る街
外に雪が降っていて感動したものの、それが実は全て灰だったなんてことも起きます。
燃える街
プレイ中での選択がどう影響するのか、アンジェラが戦争にどれだけ影響力を持つのかは今のところ不明です。
『Sunset』にBioware社の作品のような「人類の運命は私の手に」みたいな選択肢は必要ないでしょう。しかし、プレイしているとアンジェラの胸中はとても政治的だとわかるとのこと。
彼女は政治活動家であり、彼女が家政婦をしているのは、目をそらさせるため。最終的には、彼女も自分の手を汚す日がやって来るのかもしれません。
[via Kotaku]
(abcxyz)
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