早いもので、プリキュア10周年目の作品が終わろうとしています。このコラムがアップされた数時間後には、きっと大団円を迎えていることでしょう。
今期のプリキュア、いかがだったでしょうか? 皆さんの心には何を残しましたか?
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私の心に残ったものをちょっと茶化して言うなら、「神への憎悪」というところかもしれませんね。無論、それを否定するつもりはありません。
その反面、真面目に考えてみると...。これまでよりさらに「女の子」をターゲットにしたプリキュアだったなぁ。と、改めて感じました。
プリキュアで三角関係を展開するとは...。
テーマとなっているのは「愛」。「恋愛」「家族愛」など、愛には色々な形がありますが、最も大きなテーマはやはり14歳、等身大の女の子の恋愛観だったのかなぁと思います。
年上の青年へのあこがれ、幼なじみの男の子からの想い。そういった歳相応の女の子が抱くであろう、モヤモヤっとした気持ち。そういったものを全編通して良く表していたのではないでしょうか。
六花ちゃんの悩み、わかります!
この「歳相応の悩み」というシーン。およそ毎回、プリキュアにありました。個人的にはドキプリでの六花ちゃんからのマナへの想い。
つまり、自分がいちばん仲の良い友だちが、別の人と仲良くしていて悩んでしまう。というジェラシー描写に、なんとも言えないキュンキュンしたものを感じたものです。
さて、話を戻します。そのキャラクターの歳相応の恋愛劇を演出しつつ、歳相応ではない演出もありました。それが、2ndフォームと必殺技。
これはきっと、メインターゲットであるちびっ子(女の子)の好みを敏感に取り入れた結果であるに違いありません。
僕には5歳の姪っ子がいるのですが、彼女を見ていてよく分かります。彼女たちのトレンドは「おしゃれ」なんです。
そのため、プリキュアもさまざまな衣装にチェンジします。そして不思議なコンパクトやスマホで変身するだけじゃなくて、彼女たちもできる変身要素である「お化粧」を取り入れ、パワーアップ後の姿もちゃんとメイクをした姿が描かれているんです。
ちびっ子にはわかりやすい変化です(若干ケバい)
それはリアル14歳の女の子のメイクとは程遠い感じで、ストーリーの本質とは一転してファンタジー要素が増します。そしてその後の必殺技も「いきなり歌うよ!」だったりと、ハッピー感満載なライブステージ。
しかし、これこそが現代のちびっ子の憧れの姿なのかもしれませんね。お化粧で、おねえさんみたいに背伸びしたい。アイドルみたいにステージで歌いたい! という。そういう意味で、今期のプリキュアはこれまで以上にメインターゲットのトレンドを追っていた作品だったといえるでしょう。
次回作「Go!プリンセスプリキュア」も、「お姫様」というちびっ子が憧れを抱く職業(?)をメインに押し出していて、ちゃんとちびっ子主体の流れを続けていますよね。冷静に考えると14歳(もしくは13歳くらい?)の「プリンセスに憧れているの!」という発言は、やや不安にもなりますが、まぁそれはアニメなので!
しかしこのちびっ子主体化の流れを受け取り、一抹の寂しさも感じざるを得ません。
大きなお友だちの心をがっちりと掴み、ある種ニチアサの義務と貸した化け物コンテンツ「プリキュア」。それは10年の時を経て成熟し、我々大友からの応援を必要としない、真のちびっ子向けコンテンツになろうとしているのかもしれません。
勝手にサポートしてきた身ですが、愛情を注いで育てた娘が独り立ちする時。って父親はこんな気持ちになるのでしょうか。......辛い。
よくよく考えたらリアル10年ということは、初代を見ていたちびっ子たちも、きっと高校生〜大学生。ひょっとしたらこの春から実家を離れ、独り立ちをするような年齢の子もいるんですよね。
しかし、その後どうするか? というと。多くの男親がそうであるように、独り立ちしたところで結局娘はかわいいもので、ちゃんと気にもかけますし(毎週観ます)、仕送りもします(グッズも買います)。そういう意味ではいくつになっても親は親、娘は娘でしょう。
もちろん、この「プリキュア独り立ち論」はあくまでも僕の予想です。今後プリキュアが完全に大友置いてけぼりな展開になるかどうかは、現時点ではまだどうなるかわかりませんので、一種の妄想だと思っていただければ幸いです。
ただし独り立ちを覚悟しておきながら、その反面で期待を抱いているのも確かです。Goプリのテーマは「戦うプリンセス」。
変身してみたら「あれ、これドラゴンボールだったっけ?」と、女児そっちのけなオラワク展開の可能性も若干潜めているため、まずはハピプリを座して見送り、そして来週はGoプリを身構えて待ってみようと思います。
みなさんも、ぜひ。
©ABC・東映アニメーション
[ハピネスチャージプリキュア]
[Go!プリンセスプリキュア]
(キュアコグレ)
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