ジワジワくる抜け出せない恐怖。
制作者自らが体験した、強迫性障害と鬱病によって感じた恐怖をゲームの世界で表現した『Neverending Nightmares』。子気味の悪い独特のタッチで描く絵本作家エドワード・ゴーリーの作品に迷い込んだ様な、独特な世界観をご覧下さい。
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プレイヤーは、主人公トーマスになり彼の悪夢の世界をさまよいます。トーマスが引き起こす悪夢に終わりはなく、ただただあてのない恐怖を進むしかありません。
さらに、開発者は、トーマスに力を持たせない事、喘息という持病のため長時間走ることが出来ないなどの制限を設ける事で、逃げ切れない恐怖をさらに高めているようです。「精神病によって生み出された恐怖はプレイにより真実が変化する」とあり、複数のエンディングがあるということなのでしょうか。
「作品は、悪夢の中で完結する」とあり、終わらない悪夢の中でトーマスは目覚め、さらなる深みに進みます。動画の冒頭や0:26、1:06付近でも見られる様に、目が覚めるごとに変化する部屋。
見慣れた風景が徐々に変わっていくという何とも言えない恐怖や悪夢をテーマにもって来ている所は、「ザ・ルーム」や「P.T.」など、「サイレントヒル」シリーズに通じるものを感じます。
力のない主人公という設定もまた、同作や、武器の使用制限がシビアな「サイコブレイク」でのドキドキ感が味わえそうです。
操作方法はシンプルとあって、歩く・モノを調べる・そして走る(ただし、喘息のためずっとは走れない)のみ。終わらない悪夢の世界には、トーマスの妄想が作り出したのであろうクリーチャーたちがトーマスを襲います。
走って逃げ切ることが出来ないもどかしさや、あえて息をひそめる事で敵やりすごさなくてはならない場面など、思う様にいかないところが更なるドキドキ感をくれそうですね。
今時ゲームのリアル感は全くと言ってありませんが、影を落とした陰鬱な線画の様なタッチは、ゲームの中に引き込み嫌な怖さを演出するのにピッタリだと思います。
精神の病は、なってみないとどんなものかわからないと思いますが、ゲームを見る限り普段当たり前の日常のすべてがとたんに悪夢にしか見えず終わりがないものに変わってしまうと言う事は伝わるのではないでしょうか。現実を上手く捉えられない、そんな症状もこの世界が物語っているようです。
『Neverending Nightmares』は、日本語版がPLAYISMにて販売中。価格は1480円。Windows、Mac対応となります。
Neverending Nightmares PV[YouTube]
Neverending Nightmares [PLAYISM]
(イチカ)
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