理不尽なヤラれ方をしても、これを着けていたら怒らなくなる...?
古今東西、難易度の高いゲームはいろいろ在りますが、特に激ムズなマゾゲーなんてプレイした日にゃ、ブン投げて壊す用コントローラーがいくつあっても足りませんよね。
かつては、「カベをブチ抜く、怒りの弾丸ニンテンドーDS」なんていう、私たちの気持ちを良く表したアート写真もありましたが...今回ご紹介するヘッドセットを使用していれば、怒りが沸点に達する前に穏やかな気持ちにさせてくれる...かもしれません。
頭に装着して、イヤホン型センサーを耳に当てているだけで怒りが静まるなんて...いったいどんなテクノロジーなのでしょうか?
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これはヴィジュアル・デザイナーのサミュエル・マトソンさんが考案したヘッドセット『イマジェン(Immersion)』。直訳すれば、「熱中」や「没頭」という意味ですが、これといって環境音楽や、瞑想のメロディー、またはお経やエラい人のお言葉が聴こえてくるワケではないんですって。
『イマジェン』はバイオメトリックス技術を用い、センサーでユーザーの耳の裏から心拍数をキャッチして、ゲーム内で何が起こっているかという状況に応じて調整してくれるというもの。
それを後頭部辺りに仕込んだマイクロプロセッサーがBluetooth経由でデータを送信します。当然Bluetoothなので、様々なデバイスと連携ができるようにもなっています。
プレイしている自機やキャラが危険に直面していたり、死んでしまった時、プレイヤーの筋肉は緊張し、心拍数は上昇するというリサーチを元に作られたこのヘッドセット。
プロトタイプでは、「Xbox 360」をハッキングしてプレイヤーの心拍数を読み取れるようにし、その数値がゲームの難易度にすぐ反映されるよう、サミュエルさんはゲームまで自作してしまいました。
それは、精神的に落ち着いて心拍数が低い時には敵の数も少なく、イージーモードでゲームが展開し、逆に心拍数が高まれば、どんどん敵も増えて難しくなっていくというミリタリー系シューティングゲーム。おそらくは、設定を変えれば高い心拍数の時に難易度を落とすようにも出来るかと思われますが、ちょっとプレイしてみたいですね。
かつては、任天堂が生体認証センサーを使ったゲームを開発しようと考えていたらしいのですが、残念ながらその計画は途中で頓挫してしまったようです。でもこの『イマジェン』が、それに近い製品になったとすれば...?
技術やアイディアが買い取られて、安価で一般向けに出回るようになるかもしれませんね。もしかしたら別の分野にも応用が効きそうですし、今後が楽しみです。
Immersion[Design, via Slashdot via Kotaku]
(岡本玄介)
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