怖いものはお好きですか?
怪談に肝だめし、お化け屋敷にホラー映画。私たちがエンターテインメントとして楽しむ怖いものはたくさんあります。オバケの類でなくても、バンジージャンプやジェットコースターなど、私たちはわざわざお金を払ってまで怖い思いをしたがるのです。
そういう怖いものを一切拒否する人もいれば、好き好んで試そうとする人もいます。拒否する人の理由は簡単、「怖いから」。その一方で、怖い体験をしたがる人の心理はどうなっているのでしょうか?
今回は「io9」から「対抗恐怖」と呼ばれる心理状態についてご紹介します。
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日本ではあまり聞きなれない言葉ですが、「対抗恐怖」(counterphobic)とは、恐怖を感じる対象に自ら進んで直面することで、恐怖を乗り越えようとする心理のこと。
これはスリルを求めることとは少し違います。スリルを求めるのはゾクゾクする気分を楽しむことが目的ですが、対抗恐怖による行動の目的は、怖いものにあえて直面することで「自分は大丈夫だ」と安心することにあります。
スカイダイビングやロッククライミングなど、一歩間違えば死と隣り合わせのエクストリーム・スポーツに夢中になることも、対抗恐怖と関係があるようです。また危険な運転をしたがるドライバーにも、この心理が働いていると言われています。
対抗恐怖の奥にあるのは、恐怖を感じている自分に対する不安です。研究によると、強い対抗恐怖症状を示す子どもは、「強い人間」であることを良しとする家庭や社会環境で育った場合が多いといいます。いつ何時も他の人より勇敢でなくてはならないという、ある種の強迫観念から、怖いものに直面せずにはいられないのです。
また、過去のトラウマが影響しているという説もあります。この場合の対抗恐怖は社会的な期待に応えるためではなく、過去の体験によって、恐怖への反応が歪んだ形で表れている可能性があるそうです。
ある研究者によると、ホラー映画に関心を持つことも対抗恐怖的な傾向とのこと。命を危険にさらすほどの行為に走らなくても、怖いものを求める私たちの心には同じ心理が隠れているのかもしれません。
[via io9]
(さんみやゆうな)
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