パンくずで道しるべを作ったり、お菓子の家が出てきたりで有名なおとぎ話の主人公、ヘンゼルとグレーテルが成長し、魔女を殺す魔女ハンターとなった彼らの活躍を描くアクション映画『ヘンゼル&グレーテル』。
今年のはじめに公開され、週末興行成績ランキングで1位を獲得するなど、大ヒットを記録したにもかかわらず、日本では未公開となった今作の、ブルーレイ&DVDが先月ついに発売されました。という訳で今回は感想を交えつつ、改めてご紹介。
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両親に捨てられ、森の奥深くの「お菓子の家」に迷い込んだヘンゼルとグレーテル。そこに住む魔女に捕えられたふたりは、すきを見て魔女をかまどに突き落として生還する。―15年後、大人になった兄妹は魔女ハンターとして賞金稼ぎの日々を送っていた。ある日、子供の誘拐が多発する村から事件の解決を依頼され、黒魔女ミュリエルを追うことになるが、魔女は彼らの出生の秘密を握っていて......。
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『アベンジャーズ』の「ホークアイ」役でもおなじみジェレミー・レナー(ヘンゼル)と『タイタンの戦い』で「イオ」を演じたジェマ・アータートン(グレーテル)が、『X−Men』シリーズでの「ジーン・グレイ」役で知られるファムケ・ヤンセン(ミュリエル)率いる魔女軍団と対決するお話!
まず、なんといってもアクション。ファンタジーな銃と魔法の世界が舞台であるものの、とにかく素手やその辺にあるもので殴りまくって、更には絞め技も炸裂。それでいてケレン味もある格闘戦が最高に熱い!
格闘戦も素晴らしいですが、ガジェットも最高です。左右に撃てるクロスボウや折りたたみ式のスパイク銃、スタンガンなどなど、様々な武器が登場し、想像を超えたアクションを見せてくれます。
最近、強い女性の登場するアクション作品が多いですが、この作品の女性対決は凄まじい。圧倒的な女子力(じょしぢから)で飛んだり跳ねたりしながら、強烈な攻撃の応酬が繰り広げられます。特に、今回トレーニングを積んで極力スタントの力を借りずに自力で挑んだという、ジェマ・アータートンのアクションシーンは必見!
CGを多用した映画に見えるかもしれませんが、監督のこだわりで、セット、特殊メイクを重視し、それらを補う形でCGが導入されている今作。『007ゴールデンアイ』で凄いテクを持った暗殺者「ゼニア・オナトップ」を演じた、ファムケ・ヤンセンも特殊メイクをして激しいアクションを見せています。これで47歳...!
また、途中に登場するモンスター、トロールの「エドワード」も人が中に入った着ぐるみで撮影。独特な愛嬌のあるモンスターに仕上がっています。着ぐるみを使った撮影はなかなか大変だったようで、その様子はBDの特典のメイキング映像に収録。こちらも必見です。
さらに、細かな設定も秀逸で、ヘンゼルは幼少期のお菓子の家での体験が原因で、とある病気を患っているなど、ちゃんと原作の童話である『ヘンゼルとグレーテル』を活かしつつ、ひねりを加えています。
個人的には、誘拐を捜査するヘンゼルとグレーテルを妨害する、「ベリンジャー保安官」役のピーター・ストーメアの悪役っぷりにもグッときました。『ロストワールド』では小さな恐竜に食い殺されたりしていましたが、今作でも抜群の存在感を発揮し、美味しい所を持っていっています。
とにかく、『ヴァン・ヘルシング』や『ブラザーズ・グリム』のようなファンタジー作品が好きな方には強くおすすめしたい作品です。暗くてちょっとグロテスクなファンタジー世界を舞台に、かっこいい武器、素敵なモンスター、そして最高のアクションが堪能出来ます! しかし、こんなにも素晴らしい作品が、なぜ日本の劇場で公開されなかったんでしょうか......。
『ヘンゼル&グレーテル』はブルーレイ+DVDのセットで、4935円で発売中。劇場で見れなかった分、お家で何度も楽しみましょう!!
[『ヘンゼル&グレーテル』]
Hansel & Gretel: Witch Hunters (2013) [IMDb]
(傭兵ペンギン)
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