超ボリューミーです、はい。
2013年7月15日はファミコンの発売からちょうど30周年ですが、そんな折も折、NTT出版から、書籍『ファミコンとその時代』が発売されました。
著者はファミコンのハードウェアを設計した上村雅之さんや、ゲームをアカデミックな視点から研究する学会「日本デジタルゲーム学会」会長の細井浩一さんといった錚々たる面々です。
いわゆる、ファミコンの歴史がギュっと詰まった歴史書のようなものになっており、以下の目次からもその内容の濃さがわかると思います。
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序章 原点としてのファミコン
■第1部 テレビゲームの誕生
第1章 ビデオゲームの誕生
1,1 ビデオゲームの発明
1.2 ODYSSEY 対 PONG
1.3 電卓産業とビデオゲーム
1.4 世界初の家庭用ビデオゲームブームの顛末
第2章 ファミコンへの道程
2.1 アタリショック
2.1.1 ビデオゲーム業界から見たマイコン
2.1.2 カセット式ビデオゲームビジネス
2.1.3 アタリ社のカセット式ビデオゲーム
2.1.4 ワーナー・コミュニケーションズによるカセット式ビデオゲームビジネス
2.1.5 アタリショック
2.1.6 ゲーム専用機からパソコンへ
2.2 日本のテレビゲーム
2.2.1 Home PONGブームと玩具市場
2.2.2 ポストテレビゲームとLSIゲーム
2.2.3 LSIゲーム ゲーム&ウォッチ
第3章 ファミコンの開発とその設計思想
3.1 ファミコンという発明
3.1.1 ゲーム&ウォッチと任天堂
3.1.2 テレビゲームへの機体
3.1.3 新しい表示方式との出会い
3.1.4 半導体メーカーの決定
3.1.5 記憶装置の決定
3.1.6 CPUと音源仕様の決定
3.1.7 コントローラの仕様の決定
3.1.8 テレビとの接続仕様の決定
3.1.9 英数字キーボード装備の是非
3.1.10 その他の仕様決定
3.2 ファミコンの発売
3.2.1 ドンキーコングの役割
3.2.2 他社開発ゲームソフトの登場
3.2.3 予想外のトラブル
3.2.4 ファミコンブーム
3.3 米国への進出
3.3.1 ファミコンへの期待と不安
3.3.2 ゲーム専用機アレルギーの蔓延
3.3.3 米国版ファミコン仕様の決定
■第2部 ファミコンの展開
第4章 ファミコンとゲーム産業の確立
4.1 本格的なゲーム産業の立ち上がりと展開
4.1.1 プラットフォーム・リーダーとしての任天堂とファミコン
4.1.2 玩具開発とアーケード用ゲーム開発のノウハウを結集させて望んだ初動期
4.1.3 ファミコンの記録的ヒットとカセット式ビデオゲーム機としてのビジネスモデルの確立
4.1.4 パソコンゲーム文化の流入と異業種の参入
4.1.5 サードパーティ向け開発環境の整備
4.2 プラットフォームとしてのファミコン
4.2.1 プラットフォーム・ビジネスの確立
4.2.2 ファミコンの流通モデル
4.2.3 任天堂の流通方針とその限界
4.3 世界を目指す「ファミリーコンピュータ」
4.3.1 ファミコンの北米展開
4.3.2 NESの欧州展開
4.3.3 海外展開で生じた問題
4.4 任天堂によるプラットフォーム・リーダーシップ
4.4.1 プラットフォームを基盤としたエコシステム繁栄のための施策
4.4.2 他の追随を許さない製品アーキテクチャの構築
4.4.3 外部組織との協調と競争のバランス
4.4.4 内部と外部の緊張を前提とした組織づくり
4.4.5 リーダーシップのあり方が問われるファミコン以降のゲーム業界
第5章 ファミコンの社会的影響と受容
5.1 子どもの消費生活の変化
5.1.1 日本の玩具史におけるファミコン
5.1.2 ファミコン前後におけるヒット玩具の変遷
5.2 ファミコンに対する社会的反応
5.2.1 スペースインベーダーの衝撃
5.2.2 ファミコンの登場
5.3 ユーザーコミュニティとゲームメディア
5.3.1 スコアラー文化
5.3.2 攻略本とゲーム雑誌
5.3.3 メディアミックスの進展
5.4 ファミコン世代の情報リテラシーとその意味
結びにかえて-遊戯史から見たファミコン
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なんというボリューム......。内容も内容ですが、ファミコンの中の人ともいえる上村さんが携わっているのがアツいですね。ハード設計者からみたファミコンのアレコレなんてなかなか知る機会が無いですし、コレ一冊読むだけで、レトロゲーム史をあらかたおさえることができそうです。コントローラの仕様とかドンキーの役割とか、気になるなぁ。
価格は2730円とちょっとお高く感じますが、全279ページにファミコンの歴史が詰まってると思えば納得の密度。
ファミコンももうすぐ30歳なんですねー。なんだか感慨深いです。
[Amazon.co.jp]
[ファミコンとその時代]遠藤雅伸公式blog「ゲームの神様」
(ヤマダユウス型)
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