近い将来、寝たきり状態の人はいなくなるかもしれません。夢のような話ですよね。でも、研究はかなりの所まで進んでいて、実際に下半身が麻痺して歩けない男性が、外骨格を付けることで自分の足で立ち、歩くことが出来たのです。
今回は「io9」が紹介した、思考で操作出来る外骨格、その名も「MindWalker」を見てみましょう。以下から詳細をどうぞ。
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アントニオ・メリロさんは、2年前に車の事故で神経にダメージを受け、それ以来、寝たきりの状態になってしまいました。しかし、思考で操作できる「MindWalker」のお陰で、ぎこちないながらも歩くことが出来たのです。
このMindWalerは幾つかの大学と企業が協力しあって開発したデバイスで、外骨格とバーチャルリアリティーユーザーインターフェース、そしてマインドリーディングコンポーネントから成り立っているそうです。
ユーザーは、頭皮にある幾つかのポイントから電子活動を計測するEEGキャップを使うことでMindWalkerを操作します。外骨格を動かすには幾つかの方法がありますが、中でもレンズに明滅するダイオードが装備されている眼鏡を付けるのが最良とのこと。
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個々のダイオードは、着用者の周辺視の異なる周波数で点滅します。このライトは、後頭皮質と呼ばれる脳の領域によって処理されます。この脳の部分から計測されたものは、着用者が左のダイオードか右のダイオードに集中しているかを検出することが可能です。着用者が左に集中していることを示すと、外骨格は歩き始めました。これらにかかる時間は数秒です。
(New Scientistより一部抜粋)
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トップ画像で、メリロさんはキャップをかぶっていませんが、それは外骨格が動くたびに、モーターがEEG信号で機械騒音を引き起こし、読み込みの信頼度を低くするために使用しなかったそうです。
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マインドコントロールの代わりに、メリローさんは上半身を動かすことで歩いています。上半身を左に傾ければ、臀部の上に付いているプレッシャーセンサーが反応して、反対側の足に装着した外骨格を動かします。彼はその動作を繰り返して歩くことが可能です。
「最高の気分です。歩けるだけでなく、まっすぐ立っていられるんですよ!」と、メリローさんはMindWalkerを体験した感想を述べています。
施設を訪れてから2日後、チームは問題を解決し、思考のみで外骨格をコントロールしている様子を撮影することに成功しました。
(New Scientistより一部抜粋)
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「io9」によると、開発者達は、今後この外骨格をズボンに組み入れるくらい軽量化していきたいと考えており、無骨な眼鏡とダイオードに変わるお洒落な何かで代用することも計画しているそうです。
画像:New Scientist
[via New Scientist via io9]
(中川真知子)
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