多くの映画は内省的で、ストーリーに矛盾が無いように細かく設定が設けられていたりします。そのタイプの「しっかりした内容の映画」を好む人も沢山居ますが、時には「科学的には~」とか「物理的には~」なんて野暮なことは一才無視して、オープニングからエンドクレジットまでハイスピードに突っ走ってくれるような映画も良いとは思いませんか?
そこで今回は、起承転結全てがノンストップな映画12本を紹介したいと思います。
以下は、「io9」がFacebook上で読者に協力を扇いでリスト化したものです。
1. 『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』
スティーブン・スピルバーグとジョージ・ルーカスが織りなすアドベンチャー。成功の鍵を握ったのは、誰もが抱いている「ワイルドへの憧れ」と「冒険心」を映像化したからでしょう。この映画はスピード感とエネルギーに溢れており、地図上の場所に行くけれど非現実的な大冒険になる、という所にも魅力を感じる人が多いのかもしれません。
2. 『バンデットQ』
テリー・ギリアム監督の少年が時空をまたにかける窃盗団と遭遇するファンタジー映画。少年ケビンとショーン・コネリー扮するアガメムノン王の絆等、ちょっとした心理描写も含まれており、どちらかと言うと「細かいことは考えずに突っ走る映画」という点では当てはまりそうも無い本作ですが、多くの読者がこの作品をプッシュしました。
3. 『ニューヨーク1997』
カート・ラッセル扮する眼帯を付けたタフな犯罪者が、釈放を条件に囚われの見となった大統領を嫌々ながらも救出するサイエンスフィクション。本作は『メタルギア』シリーズのスネークのモデルになったことでも良く知られているので、Kotaku読者にも馴染みが深いのではないでしょうか。
4. 『プリンセス・ブライド・ストーリー』
中世を舞台にした冒険活劇ありのファンタジーロマンス。原作はウィリアム・ゴールドマンの『プリンセス・ブライド』です。
幼少期に父親が読んでくれて面白かったので大人になってから読み返してみたところ、思っていた程でもなかった......。どうやら父親は面白い部分だけ編集して読み聞かせてくれていたらしく、その魅力を他の人にも知って欲しいから「面白い部分だけを抜き出して編集した」という長編小説を元にした映画です。
こうやって書くと、何が何やら...? という感じですが、映画自体はユーモアたっぷりで美しく、複雑な要素は一切なく楽しめます。
5. 『ゴーストハンターズ』
ジョー・カーペンターとカート・ラッセルのコラボレーション作品が再びリスト入り。トラック運転手のジャック・バートンは、不思議なパワーを持つ中国ギャング同士の争いに巻き込まれ、最終的には伝説の怪人で大ボスのロウ・パンと対峙する。カーペンター監督作品の中でも一際B級臭が強く、ギャグ要素も強い作品です。
6. 『フィフス・エレメント』
リュック・ベッソン監督の地球を破壊するエイリアンあり、飛行タクシーあり、悪を滅ぼす鍵のひとつとなる神秘的な赤毛の女性ありの未来的アクションアドベンチャー。本作を挙げた「io9」読者には「『フィフス・エレメント』こそ唯一のノンストップローラーコースターサイエンスフィクションだ。」と断言する人も。
7. 『ギャラクシークエスト』
過去の栄光に縋る売れない俳優達が、嘘という概念が無いリアルなエイリアンに宇宙戦争に協力を求められるという話。『スタートレック』のパロディで、捻りが加えられた内容も然ることながら、ティム・アレンやシガニー・ウィーバー等の演技も光るサイエンスフィクションファンが作った正当派SFコメディです。
8. 『トータルリコール』(オリジナル版)
フィリップ・K・ディック原作でアーノルド・シュワルツェネッガー主演の本作は、現実と妄想が入り乱れていると思っていたら、物語はあっと言う間にユーモア溢れるスパイの冒険に突入。ミュータントが出て来たり、エイリアン説があったと思えばいつの間にか火星に新鮮な空気が流れ込んでいる。アーノルド作品の中でも、上位にランクインする狂気とハイスピードっぷりです。
9. 『スターゲイト』
エジプトで見つかった地球と別の星を繋ぐ巨大な輪。それをくぐると古代エジプトの生活をしている場所に行ってしまい、その後は息もつかせぬ急展開で物語が進みます。ジェームズ・スペイダー演じるエジプト考古学・言語学者がものの5分で他の惑星の人々が話す言葉を解明するところなどは、「とにかく何も考えずに楽しめ! 」というこのリストのテーマにピッタリです。そう言えば、これもカート・ラッセルの作品ですね。
10. 『クロウ』
幸せの絶頂だったカップルが無惨に殺されてしまい、蘇った男の魂が復讐に燃えるストーリーで、全体的に悲しい印象が先立つブランドン・リー主演の本作ですが、時に快活で時に面白く、地味ながらも展開のスピードを失うこと無く最後まで突っ走ってくれます。ブランドンはバットマンxジョーカー的な役所で、非常に格好良いダークヒーローに描かれています。
11. 『ロックアウト』
マンハッタン島をコンクリートの壁で囲み巨大な刑務所にした『ニューヨーク1997』がリスト入りしているのだから、舞台をニューヨークから宇宙に移しただけの本作も紹介しておきましょう。主演のガイ・ピアースが次から次へと起こる馬鹿げた事件に立ち向かうスピード感溢れる作品。余計なことは一切考えないで、楽しめる派手なB級というところでしょう。
12. 『Dredd』
最後を飾るのは、カール・アーバン主演の『Dredd』。この作品を推した人の多くが、恐ろしい程にストーリーのペースが早いとコメント。スピードの他にも、カールのふんぞり返った演技とぞっとするようなユーモア、そして怖い悪役ママを演じたレナ・ヘディも高い評価を得ているようです。日本での公開は来年2月なので、見るのはもう少し先になってしまうのが残念。
[via io9]
(中川真知子)
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