ミニチュア


いよいよ待ちに待ったゴールデンウィーク! Kotaku読者の皆様の中には、「折角の連休だから、何か新しい趣味を始めてみたいなぁ」なんて思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回のコラムでは、私、傭兵ペンギンが、筋肉映画と同じくらい...いや、きっとそれ以上に愛情を注いでいる『ミニチュアゲーム』というちょっと変わった趣味をご紹介いたします。
 


【大きな画像や動画はこちら】

 
■ミニチュアゲームとは

ミニチュア1ミニチュアゲーム


ミニチュアゲーム(ミニチュア・ウォーゲーム)とは、兵士や兵器などのミニチュア(模型)を駒として使い、戦場を再現して遊ぶ、対戦型のウォー・シミュレーションゲーム。大きなジオラマの中にミニチュアを並べて、対戦するゲームをイメージしていただければいいと思います。

戦場といっても、歴史上の戦いを再現するもの(これらはヒストリカルと呼ばれます)だけでなく、ファンタジーやSF世界の架空の戦争を再現するものが多く登場しています。再現する戦場も、だけでなく、海上、さらには宇宙空間などゲームにより様々なものがあります。

そういった架空の世界を舞台にしたゲームの場合、その世界やプレイヤーが操作する駒にそれぞれ背景設定があり、どうのような世界、軍隊、人物なのが事細かに描かれています。ゲームを遊ぶ上では特に気にしなくてもいいことではあるものの、読み物としても楽しめるようになっているものが多いです。


ミニチュア3メジャーを使って遊ぶ


ゲームとしては、ボードゲームテーブルトークRPG(TRPG)のようにダイス(サイコロ)を使い、それらを各駒に設定されたデータと組み合わせ、様々なゲーム上の処理・判定を行います。また、多くの場合、ゲーム盤上にマス目がなく、メジャーを使って距離を測るということも特徴ですね。実際に遊ぶとこの動画の様な感じに。



また、対戦型のゲームである一方で、駒であるミニチュアを自分で組み立て、自分の好きな色を付けるという模型としても楽しめます。色を付ける作業は、ゲームを遊ぶ上で必須なものではないのですが、ジオラマ風に作った戦場の上に並べた時に、色がついていた方が雰囲気が出てカッコイイんですよね(遊ぶ人の好み次第だったり)。先述の背景設定を生かした配色をして、設定を再現してみるなんていう楽しみ方もできます。


■歴史

その歴史は古く、19世紀にはすでに錫の兵隊で遊ばれていたものの、本格的なゲームとして遊ばれるようになったのは『タイムマシン』や『宇宙戦争』等でお馴染みのSF小説家、H・G・ウェルズが1913年に発表したルールブック『Little Wars』から。


ミニチュア2『Little Wars』で優雅に遊ぶウェルズ


こちらの画像は、そのルールブックの中の挿絵で、ウェルズが『Little Wars』で遊ぶ姿が描かれています。彼は「SF」だけでなく「ミニチュアゲーム」の父でもあるという、偉大な人物なんですよ!

それ以降、1950年代にはジャック・スカービーの元でヒストリカル系のミニチュアゲームが発展、70年代になりTRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の原型ともなった『Chainmail』が登場、その拡張版からファンタジー路線のミニチュアゲームも登場し始め、80年代に発売されたファンタジー・ミニチュアゲーム『ウォーハンマー』をきっかけにプレイ人口が増え、現在に至るまで沢山のタイトルが発売されています。


■どんなタイトルがあるのか

それらタイトルをそれぞれ細かく説明したいのですが、今回の記事では、日本で遊ばれているタイトルのうち幾つかに絞って紹介してみたいと思います。

おそらく一番有名なのは、イギリスのゲームズワークショップから発売されている『ウォーハンマー』と『ウォーハンマー40,000』でしょう。PCゲーム化などもされているので、そちらで知っているという方もいらっしゃるかも。同社は映画『ホビット』の世界観を使ったゲームも発売しています。詳しい説明は公式サイトでどうぞ。


ミニチュア4『Warmachine』


最近プレイ人口が増えているのが、2003年にアメリカのPrivateer Pressから発売された『Warmachine』。スチームパンク・ファンタジーの世界を舞台に、剣と銃と魔法とロボットで戦う軍団を操作し、対戦するゲーム。3体~5体のミニチュアで遊び始める事のできる、初心者にもオススメのゲームとなっています(ちなみに先程の動画は、『Warmachine』で遊ぶ様子をまとめたものです)。公式サイトはこちら


ミニチュア8『Hordes』


Privateer Pressは『Warmachine』と対戦できる別のゲーム『Hordes』も発売しており、こちらはトロール、エルフ、森のドルイドの勢力などが登場し、『Warmachine』に比べ、よりファンタジー色の強いゲームとなっています。どちらも正式な日本語版は発売されていませんが、取扱店で独自に翻訳したものが付属するなどして日本でも遊ばれています。どんなゲームかはこちらを御覧ください。


ミニチュア5『ディストピアン・ウォーズ』


また、以前紹介したイギリス産ミニチュアゲーム『ディストピアン・ウォーズ』は、南極で発見された謎の物質の影響で科学が急激に発展し、歴史が大きく変わってしまった19世紀の世界を舞台に、戦艦戦車だけでなく、空中要塞空飛ぶロボットさらにはイカ型潜水艦などの一風変わった兵器を操作し対戦するスチームパンク・SFミニチュアゲーム。ちなみにこのゲームは、私、傭兵ペンギンが日本語版の翻訳を担当させていただきました。詳しくはこちらを御覧ください。


ミニチュア6『ボルトアクション』


他にも、今年のワンフェスに出店していた、イギリスのウォーロードゲームズが開発したミニチュアゲーム『ボルトアクション』も最近、日本語版が発売されました。第二次世界大戦の戦場を再現して対戦するヒストリカル・ミニチュアゲーム。詳しくはこちらの公式ページを御覧ください。


ミニチュア7『サイクロプス』


2011年には、日本生まれのミニチュアゲーム『サイクロプス』が登場。ファンタジー世界の闘技場で繰り広げられる召喚士達の力比べをイメージしたボードゲームライクなゲーム。非常にシンプルなルールなので、ミニチュアゲームをやったことがない人でも遊びやすいゲームとなっています。詳しくはこちらの公式サイトを御覧ください。


■どうやって始めるのか

一番手っ取り早い方法は、ミニチュアゲームの専門店に行くことだと思います。お店では体験ゲームなどを通じて、遊び方を丁寧に教えてくれますし、ミニチュア組み立て方や塗り方も教えてくれることでしょう(イベントなどを開催していて手一杯なんてこともあるので、事前にお店に行くことを連絡すると良いでしょう)。全国の専門店の場所はこちらのリストなどを参考にどうぞ。

また、実際にゲームを遊んでいる会(サークル)を覗いてみるのもいい方法でしょう。事前に連絡をすれば、手ぶらでいっても、体験ゲームなどをさせてくれるところもあります。ゲーム会の場所・連絡先はこちらのやこちらの地図を参考にどうぞ。

可能であれば、異なるタイトルのゲームをいくつか体験してみて、自分の好みに合うゲームとミニチュアを見つけて、それから、ミニチュアやルールブック、組立・塗装に必要な物などを手に入れるといいかと思います。


■最後に

ミニチュアゲームは、対戦ゲームでもあり、模型趣味としてもハマれるちょっと変わったアナログゲーム。アナログゲームが好きだったり、模型が好きだったり、シュミレーションゲームが好きな人は、このゴールデンウィーク中にでも、一度、体験してみてはいかがでしょうか。きっと楽しめるはずですよ!

奥の深い趣味を、さらっと説明しただけなのできっとかなり説明不足なはず。つい先日、ミニチュアゲームの情報ポータルサイト「Miniature Game JAPAN」の運営が始まったので(本当にできたてなので、まだほとんど情報が書き込まれていませんが)、ぜひこちらを定期的にチェックして各ゲームの詳細やサークルの情報を見てみてください。

また、何か疑問等ございましたら、私のTwitterアカウント@Sir_Motor)に相談ください。ミニチュアゲームのことなら、出来る限りお答えさせていただきます。お気軽にどうぞっ!


Spartan Games[Facebook]
Little Wars[Wikipedia]
No Quarter 42: Colossal Clash Weigh In[YouTube]
Convergence of Cyriss WARMACHINE faction preview - Privateer Press[YouTube]
No Quarter 44: Gargantuan Grudge Weigh In[YouTube]
ウォーロードゲームズ 日本サポート[Freesia Enterprise]
サイクロプス[ジャイアントホビー]

(傭兵ペンギン)

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RSS情報:http://www.kotaku.jp/2013/04/lets_start_miniature_game.html