ベン・アフレック監督・主演の人質救出映画『アルゴ』が10月26日(金)に公開されます。 「この《実話》は、フィクションよりも大胆」というキャッチフレーズにもあるように、『アルゴ』は「ウソのSF映画」を作って人の命を救うという、フィクションのような実話を元にした映画です。 こちらは嘘ではない鑑賞後記は以下より。
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舞台は、1979年に実際にテヘランで起きたイランアメリカ大使館人質事件。騒動の中アメリカ大使館を脱出し、カナダ大使館に隠れた6名の外交官をベン・アフレック演じるCIA捜査官トニーが「奇策」でイランの外へと救出しようとする物語です。 この映画の注目ポイントは、
■実話なのがすごい! トニーが考えつく奇策こそが『アルゴ』という名の「ウソSF映画」の制作を企画し、その撮影スタッフとして外交官たちを連れ帰るというもの。苦肉中の苦肉であるこのバカバカしい策が、実際に決行された「実話」だということが今作のキモとなっています。 70年代の映画を意識したざらついた画面、ハリウッドサインの荒廃具合といった細かい点の再現、そして当時のニュース映像などが要所要所差し込まれることで、今作で描かれている時代の空気感を肌で感じることが可能です。
■シリアスとコメディのバランスが絶妙! 人の命がかかっているという事態、政治的な状況からもわかる通り、決してバカげた話ではありませんが、かといって小難しい説教臭い内容でもありません。 前半で描かれる「ウソSF映画」制作の過程では、当時の映画関係者やハリウッドのブラックジョークが連発され、素直に笑えます。劇中に連発される「アルゴ、クソ食らえ!」の台詞もインパクト大で、劇場を出たら連呼したくなることでしょう。 そして後半のいよいよ脱出というポイントになると、このバカバカしい作戦が本当に通用するのか? という緊張感が最高潮に。次から次へと発生する困難にハラハラしっぱなしです。
■「映画は素晴らしい」というポジティブなメッセージ 映画という娯楽、文化を利用して人質を救出するという作戦はもちろんのこと、いくつかのシーンで見られる「映画の楽しみは人を選ばない」という描写は、映画の持つ力、素晴らしさの力強い肯定となっています。
ある種珍妙とも感じられる設定の映画ですが、「実話」だということ、そして緩急のある小気味いい編集のおかげですんなりと物語に入り込め、素直に感動できます。見ればアカデミー賞候補と言われていることにも納得するはず。実際に起きた人質事件の緊迫感と「映画っていいな」というシンプルな喜びを感じられる作品です。 『アルゴ』は10月26日(金)より全国ロードショー。
©2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
[『アルゴ』公式サイト] (スタナー松井)
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